刺身や焼き魚や煮物など多くの料理の材料となる魚は飲食店にとって非常に重要な食材です。
魚は鮮度や産地により、味も調理の仕方も変わってくることもあり、仕入れには慎重にならざるを得ない食材です。
また朝早く市場へ行き食材を仕入れなくてはならず、そこの人たちとも良好な関係性の構築なども必要になり、デジタル化やIT化の導入が進んでいない業界の一つです。
IT化が進んでいない理由として、若者が多くなくデジタルに対する知見や導入への抵抗などが大きいことがあります。
また、人間関係を大事にすることもあり、ITというだけで毛嫌いしてしまう人が多いのも現状です。
しかし、時代がものすごいスピードで変化している中で、この業界もデジタルトランスフォーメーションが必要になり、少しづつですが、IT化が進んできています。
今回は鮮魚・水産品特化型の食材仕入れサービス「魚ポチ」について紹介します。
魚ポチのサービス概要
「魚ポチ」は、鮮魚を中心とした水産品をインターネットで注文できる飲食店向けの仕入れプラットフォームサービスです。
スマホやタブレットから、どこからでも手軽に注文することができます。
水産品は豊洲市場および全国20の産地から直接仕入れ、1,800種以上が取り扱われており、魚ポチのサイト上では実物の写真が見られるほか、専門のバイヤーの介在により、規格や産地・漁法といった専門的な情報まで知ることができます。
注文受付時間は15:30~3:00となっており、この間に受け付けた商品は翌日発送されするために、1都3県内は専門のドライバーが配送を担っており、エリア内の店舗は発送当日に受け取りが可能です。
配送対象エリアは南東北から関西までの地域であり、エリア区分によって配送料が異なります。
東京都心エリアおよび横浜市の場合は基本送料が500円ですが、購入金額や会員ランク特典により送料無料になることもあります。
「魚ポチ」を利用するメリット
「魚ポチ」を利用することで、飲食店のメリットは3つあります。
- スマホ・タブレットからの注文
スマホ・タブレットからの注文により「仕入れ業務の効率化・時間短縮ができる」ということです。
これまでの水産品の仕入れは、朝早く市場に買い付けに出向いたり、注文用紙やFAXで注文するというアナログな手法が取られることが多く、時間や場所が大きく制限されるものでしたが、「魚ポチ」を利用すると、営業終了後や深夜でも、場所を問わずに注文することができます。 - 旬の魚や珍しい水産品が手に入る
「魚ポチ」では、仲卸経験者など、水産品の専門知識を持ったバイヤーが仕入れを担っています。
おすすめ鮮魚情報がWebサイト内で毎日更新されているため、購入者は目利きの技術がなくても、良質な旬の魚の仕入れが簡単にできるようになります。
豊洲市場のみならず各産地から直接買い付けを行っているため、市場にはあまり出ることのない珍しい魚と出会うこともでき、希少な魚をメニューに取り入れることで、メニューの魅力アップに繋げられます。 - 注文金額が分かりやすい
一般的な魚屋に注文して仕入れる場合、注文時の参考価格と納品時の請求価格が大きく異なることがあります。
これは、需給バランスや入荷量の影響を受けるという商品特性に起因することですが、「魚ポチ」の場合は発注時に値段が明確に分かります。
また、利用初月から月末締め翌月末払いに対応しているため、開店したばかりの店舗の資金繰りにも便利です。
「魚ポチ」を利用するデメリット
メリットだけでなく、デメリットもあります。
- 納品日が指定できない
納品日は配送エリアによって、「注文翌日」または「注文翌々日」と決まっており、「何日先の納品指定」という指定はできません。
このため、受け取り希望日の前日または前々日に忘れずに注文する必要があります。 - 情報掲載時の商品のサイズと納品時のサイズに差異がある場合がある
「魚ポチ」掲載時は、「1尾あたり●g~●g」というように1尾あたりのサイズが一定の幅をもたせた形で表記されています。
これは購入者が小ロットから注文できるようにするための配慮ですが、実際に産地から魚ポチ運営会社に出荷される商品は「商品名○○ ●kg●尾」という一定量単位です。
このため「魚ポチ」側でも、入荷されるまでは正確な商品サイズを把握できないので、購入者側も、商品サイズにある程度のバラツキがあることを理解した上で注文する必要があります。
「魚ポチ」では、「掲載サイズの上限および下限から3割までは誤差としてご理解いただけますと幸いです。ただし、3割を超える差異があった場合は、然るべき対応をいたしますのでご連絡ください。」とされています。
水産流通はこれまで、商品特性や伝統的な市場文化から、デジタル化が進みにくい分野とされていました。
「魚ポチ」は、人が担うべき部分には専門人材を配置し受発注にはICTを取り入れる「デジタル・アナログの融合」により、水産流通システムに革命をもたらしているサービスの一つといえます。