セルフレジ

セルフレジが小売業のコロナショックを救う!メリットデメリットを紹介

新型コロナウイルス対策を目的として政府の緊急事態宣言は、小売業への影響を大きく与えています。
スーパーマーケットやドラッグストアへの来店集中、飛沫感染のためのリスク回避を目的とし、レジ前に透明シートが設置され、ソーシャルディスタンスの確保がどこでも見られるようになりました。
東京都は、入店制限、買い物を数日に1回に減らして頂く新たな施策を打ち出すなど、毎日の様に、最寄り品の小売店舗に関連するニュースが報道されています。

コロナショックが小売業に与えるリスク

店舗での買い物に関わる3つの課題が発生しています。
まず、買い物をするお客様が、一定の時間レジ待ちをする、レジとの会話による飛沫感染リスクを抱えてしまうことによる心理的な不安です。
次に、レジのキャッシャーも、不特定多数のお客様と会話をすることによる飛沫感染リスクがあり、心理的な不安もありますし、お客様からのクレームを受けることも多くなっていることは、ニュースでも話題となっています。
そして、店舗にとっては、万が一の店舗でのクラスター発生リスクを少しでも軽減する為に、店内の感染対策やお客様の入店を減らして頂くお願いを続けること、そして増加したお客様からのクレーム対応などの負担が増える一方です。

店舗でセルフレジの出番?

この課題を解消するための一つの手段として、見直されているのが「セルフレジ」です。
ローソンは、接触機会の削減を目的として、セルフレジを約120店舗に導入しそのエリアと店舗数を順次拡大するとのことです。
レジに並ぶことなく買物が出来るため、接触機会の削減にも繋がっています。

米国でも4月7日のBloombergの調査結果では、70%以上の買い物客がセルフレジでの購入をしているとの結果が発表されました。
米国No1のスーパーマーケットチェーンのWalmartはコロナウイルスによる感染拡大以前より、セルフレジを大量に導入していましたが、さらにこれを改良し、レジに表示されたQRコードをスマホのカメラで読み取ることで支払い手続きを進められるようになりました。セルフレジ画面へのタッチによる飛沫感染を防ぐ対策です。

もともとセルフレジは、どの程度国内に浸透しているのか、下記で説明します。
2019年「スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、セルフレジ設置率は全体で11.4%、セルフレジを新たに設置したい企業は13.9%した。
また、セルフ精算レジ設置率は全体で、57.9%となり、年々増加傾向にあり、セルフ精算レジを新たに設置したい企業は21.0%となっています。
(セルフ精算レジとは、商品登録は有人で行い、支払いはお客様が自身で行う形態です)

セルフレジの設置率は必ずしも多くない状況ですが、一方でセルフ精算レジは増加傾向です。レジでお客様との間で、現金の授受を嫌うことが誘因となってセルフ精算レジの導入を底上げしてきました。
ある大手スーパーの責任者の意見では、「お客様と店員のコミュニケーションがサービスの1つである」という、コミュニケーションを重視する意見もありました。

しかし、今の環境下では、コミュニケーションが無いことが是、とされていますので、今後更に、セルフレジの有効性が注目されてきます。ここで、メリットとデメリットを確認しておきたいと思います。

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セルフレジのメリット

セルフレジを導入する店舗のメリットは、主に、従来店舗の省力化とにありましたが、コロナショックによる感染対策という観点では、店舗、キャッシャー、お客様それぞれにメリットがあります。

  1. レジ業務の効率化(店舗)
    スーパーマーケット等のキャッシャーは常に人材不足と言われています。キャッシャーの人数が少なければお客様を長時間お待たせすることになってしまいます。セルフレジがあれば、それを解消できます。
  2. レジ待ちの解消による満足度向上(お客様)
    レジ待ちが嫌なお客様にとっては、セルフレジによって、自分で短時間にチェックアウトが終了することで、満足度は向上します。
  3. 感染対策(店舗・お客様・キャッシャー)
    お客様とキャッシャーとの接点が無くなることで、飛沫感染リスク、レジ待ちによる長時間の滞在による心理的なリスクも
    軽減されます。

セルフレジのデメリット

一方で、セルフレジのデメリットは先の様な店員とお客様のコミュニケーションが減ってしまうことを含めて、サービスレベルの低下やセキュリティリスクにあります。

  1. セルフレジの操作に不慣れなお客様への対応
    高齢者を中心としてレジの操作に不慣れなお客様への対応(アテンダント)が必須なため、1名対応者が必要
  2. 不正防止
    意図的に一部の商品をスキャンしない、などの不正が発生するリスクあります
  3. コミュニケーション減
    先の例の様に、店舗とお客様のコミュニケーションが無くなることをマイナス要因として捉える場合もあります

ただし、コロナショックが完全に解消するまでは、スタッフとお客様のコミュニケーションが無い事が、望ましいサービスに
なっているとも言えます。

まとめ

さて今回は、コロナショックが小売店舗に与えている影響と、その課題解決の手段として、「セルフレジ」が注目されていることについてご紹介しました。セルフレジは、これまでもセルフ精算レジを中心に導入されつつありますが、今後は“コンタクトレス“を実現するセルフレジが更に注目・導入されてくるでしょう。
また、セルフレジを導入する上でのメリット、デメリットを整理しました。コロナショックが解消された先には、東京オリンピックも控えています。セルフレジのデメリットを解消するような、新しいテクノロジーも登場してくれば、更にセルフレジの有効性が注目されてくるでしょう。