セルフレジ

RFIDを活用したユニクロのセルフレジとは?お客様・店舗へのメリット

大手スーパーマーケットやコンビニ、ファーストフードなどさまざまな店舗において、セルフレジを使ったことがある人は多いのではないでしょうか。セルフレジはお客様が自身が商品についているバーコードをレジに読み取り、現金・クレジットなどにて支払いを行うスタイルです。

アパレル業界を代表するユニクロでは、商品が入ったカゴをレジ台に置くだけで、自動的にスキャンされ精算が行えるセルフレジが導入しており、ここで利用されているテクノロジーが“RFID”タグです。

RFIDアンテナをPOSレジに設置することによって、バーコードにより1点1点の登録作業を行わなくても商品登録が可能となり、結果的に会計スピードが向上し、お客様をお待たせする時間も短縮されるのです。

そんなRFIDを活用したユニクロのセルフレジの特徴とメリットについて説明します。

 

RFIDタグを使ったユニクロのセルフレジの特徴

RFIDとは、無線を用いた自動認識技術の一種で、小型のRFタグ(ICチップを搭載したタグ)を無線通信によって情報の書き込み・取り込みを行うことで、識別や管理を行うものです。
小売業ではバーコードに代わるものとして、そのRFタグに商品情報などを記録させた上で、その情報を読み込む機器から取り込み、商品の検品や棚卸に活用が可能となります。
2次元バーコードを進化させたものが、RFIDタグというイメージです。
バーコードは、商品ごとに、コードを1つずつバーコードスキャナで読み取らなければなりませんが、RFIDであれば、一括読み取りが可能です。

RFIDの特徴としては以下があります。

  • 複数の一括読み取りが可能。
  • 無線で読み取りをするので商品が段ボールの中にあっても読み取り可能
  • 遠くのRFIDタグまで読み取りができることで位置情報を特定できる(UHF帯で5から7メートル)
  • データ量の多さ

これからの特徴を活用することで、RFIDのスキャナをPOSレジの下に設置して、台に置かれた商品のRFIDタグを一括で読み取ることが可能となります。
バーコードで1点1点での読み取りで処理スピードがアップすることができます。

一方で、遠くまで読み取りができる特徴があるために、読み取りしたくない周辺のRFIDタグまで読み取りしてしまうリスクが発生してしまいます。
RFIDタグをPOSレジで運用する場合には、周辺のRFIDタグを誤って読み取らないように、その周りを遮蔽しないといけないということです。
有人のPOSレジであれば、誤検知がされていないか、スタッフが最終確認することが可能ですが、セルフレジということになれば、それも困難です。セルフレジは比較的小さめのスペースに複数台のセルフレジを設置することが想定されますので、電波の遮断が課題になります。

ユニクロのセルフレジでは、購入する商品を置くスペースとして、買い物かごが収まる大きさのくぼみがあります。そこに商品または商品を入れた買い物かごを置くと、商品に付いたRFIDをシステムが自動で読み取り、会計に移行するという仕組みになっています。 この大きなくぼみが、先の「遮蔽」を実現しています。

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ユニクロのセルフレジのお客様のメリット

ユニクロは幅広い年齢層向けの商品が販売されており、点数も多く購入されることが多く、店内は混雑しやすく、レジ決済にも時間がかかり、結果的に長い待ち時間が発生してしまいがちです。
この課題をセルフレジの導入により、レジの混雑が解消されます。

もう1点、スーパーマーケットで導入されているセルフレジの場合はお客様が自分で操作するタイプのため高齢者等、人によっては扱いが難しいことがあります。
操作に手間取ってしまい、結果的に時間がかかってしまうことで敬遠している人もいるようです。ユニクロで導入されているセルフレジのタイプなら機械操作は最小限ですので簡単に会計が完了できます。

 

ユニクロのセルフレジの店舗のメリット

店舗側でこのセルフレジを導入するメリットは、お客様のメリット同様にレジ会計の時間短縮ということ以外にも、在庫管理の業務効率化、接客販売の強化、防犯という業務プロセス改善の効果が期待されています。
RFIDタグを商品には付けておくことで、無線の電波を使って一括で読み取りが可能となり、業務効率化が可能となります。
また、アパレル店舗でお客様が探している商品のサイズ違い、色違いをバックヤードから確認する時間を大幅に短縮できます。お客様との接客時間が短縮され、お客様も代替商品の有無が即座にわかることで満足度アップを期待できます。

各商品にRFIDタグを付けることで、製造から店頭在庫、販売にいたるすべてのプロセスで商品をトレースし、効率化を実現しているのです。

 

さて今回は、RFIDタグを利用したユニクロのセルフレジについて、顧客と店舗の双方にどのような効果をもたらしているのか、についてご紹介しました。
RFIDタグは、コストがかかるため、有人レジでの決済を簡略化し、タグは再利用する前提となっていました。
現在、RFIDタグのコストは1枚あたり10円程度が相場となっていますが、ユニクロはさらに安いコストを実現したため本格投入しているとのこと。

RFIDタグをセルフレジに実用化する上では“電波の遮蔽“が必須となり、その実現方法は各社のノウハウとして進化しています。今後もRFIDタグを活用したセルフレジの活用は増えていくことでしょう。

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