セルフレジ

イオンの最新スマートカート「レジゴー」とは

アメリカのAmazon Go Grossaryは、ウォークスルー型の決済が可能になったということでレジが不要となった画期的なソリューションでした。
国内でも大崎ゲートシティ駅内のローソンでは無人レジを実現しており、このようなレジレスの店舗を構成するためには、いわゆる「AIカメラ」を大量に設置して、商品検知をするシステムを構築する必要があります。

AIカメラを対象に導入することなく、無人店舗のオペレーションに近づける取組みが開始されており、それが持ち運び可能なレジのスマホレジです。
スマートフォンアプリとしてレジ機能を実装し、消費者は購入したい商品のバーコードを読み取って、精算出口で事前登録したクレジットカードなどを使って決済する仕組みです。

最近では、イオンで使われている「レジゴー」がその代表的な例です。
レジゴーの機能やメリット・デメリットについてみていきましょう。

 

イオンのレジゴーによるセルフスキャンの仕組み

イオングループは、専用スマートフォンを活用したスマホレジ「レジゴー」を2020年2月26日に発表しました。
レジゴーはイオン店舗で通常の有人レジ、セルフレジ、セミセルフレジに続く、「第4のレジ」として導入が進められています。イオンは2003年からセルフレジを導入し、全国に2000台以上設置し、有人レジの人員不足をカバーし、チェックアウトプロセスのスピードアップにつなげていました。
しかし、今回のレジゴーでは、それを超える顧客体験の提供を目的としているようです。

レジゴーでは、専用のスマートフォンを店頭で手に取り、これを使って買い物をしながら、チェックアウトしていくことになります。
購入した手にとってカゴに入れる前に商品のバーコードリーダーを読み取ります。

その後、支払いは専用レジを利用し、レジゴーアプリに表示される2次元バーコードを読み取り、支払い方法を選択するだけで会計が行えます。

このプロセスの通り、商品を選んだ際にスキャンすることで、セルフレジと比較してもレジに並ぶ必要がなくなり、レジ待ち時間の削減に繋がります。

レジゴーはイオンの一部の店舗で2019年夏から実験的に導入されていましたが、2020年2月時点で客数が約5%向上したため、2020年3月からレジゴーの導入を本格開始し、2020年度中には東京・千葉・神奈川の「イオン」「イオンスタイル」を中心に、約20店舗に拡大する予定です。

今後の計画ではお客様のスマートフォンでも利用可能にし、購入商品から予測した料理の動画レシピ配信や、割引情報などの配信、商品レコメンドなどの機能を追加する予定です。

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イオンのレジゴー機器のメリット・デメリット

レジゴーのメリットは、商品バーコードのスキャンをお客様自身が行うことによって、お客様の利便性及び店舗の業務効率化の双方にあります。
店舗側のメリットはスーパーマーケット等のキャッシャーは常に人材不足と言われています。レジゴーでお買い物をして頂くお客様が増えることによって、キャッシャーの対応人数を軽減することができます。
顧客側のメリットはレジ待ちが嫌なお客様にとっては、レジゴーによる決済を済ませることで、自分で短時間にチェックアウトが終了し満足度は向上します。
他にも商品を手に取った都度、お客様が自身で登録をしますので、現在のお買い物金額がすぐにわかります。

一方で、レジゴーのデメリットは商品を手に取ったタイミングで、バーコードリーダーをスキャンする必要があるので、その商品前に立ち止まって、お客様の流れが滞留してしまいます。
また、バーコードが読み取りにくい場所・商品計上になっていることにより、 お客様がスキャンする時間が長くなってしまうことで、“面倒だ”と感じてしまうリスクがあります。

また、これまでの様なレジを通過せずに買い物を終了してしまいますので、盗難のリスクも高まると思われます。

さて今回は、イオンが導入しているスマホ型レジの「レジゴー」についてご紹介しました。
お客様が自分で購入した商品を手に取ったタイミングで、バーコードをスキャンすることで、レジでの登録が不要となりチェックアウト時間が最小化される仕組みです。

今後、「レジゴー」の仕組みを更に進化させて、チェックアウトプロセスを短縮化するのみならず、スマホの特性を生かして、お客様に対する“お勧め“商品やレシピのサイネージ表示などを連携させることで、新しい顧客体験を提供することを、イオンは狙っているようです。結果として購買点数の拡大につながる可能性があります

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