飲食店効率化・省人化

調理ロボットのたこ焼き職人「OctoChef」とは

誰もが一度はたこ焼きをクルクル回しながら調理する場面を見たことがあると思います。
表面が焼けてたこ焼きの形になっていく様子は飽きることなく見続けることができ、その調理工程も含め、多くの人にとって人気の料理となっています。

近年、飲食店には調理ロボットが導入されており、たこ焼きを調理する人工知能を活用した「Octo Chef(オクトシェフ)」というロボットが登場しました。
この記事ではたこ焼き職人調理ロボットの「Octo Chef」について紹介します。

調理ロボット「OctoChef」概要

OctoChefはたこ焼きの生地の流し込み・調理・盛り付けまでを一連の作業を行うことができる調理ロボットです。

調理開始から盛り付けまでの時間は約15-20分で、一回の調理で16人前の96個のたこ焼きを焼くことが可能です。
通常にたこ焼き屋は人が3-4名で運営しますが、たこ焼き屋を「Otochef」を導入することで1名で運営できるようになり、主に「Otochef」がたこ焼きを調理をし、人が会計や接客業務や食材の下処理を担当します。

「Otochef」はたこ焼きを生地を鉄板に流し込む際に、人にはできないほどの正確さで、生地を均等に入れることができ、これによりそれぞれの大きさの違いや出来加減のムラをなくします。
また、たこ焼きは温度に非常に敏感で調理が難しく、鉄板の質や火加減によって、出来栄えが大きく変わり、特に鉄板の場所で鉄板温度に違いが出てきて、焼きムラが生じてしまいます。
OctoChefは鉄板を振動させることで、たこ焼きは少しづつ回転させ、もし焼きムラなどを見つけた場合には、ロボットが素早くアクションをとります。
人工知能を活用しながら、一つ一つのたこ焼きの焼き加減を確認することで満遍なくおいしいたこ焼きを作ることができます。

OctoChefの操作方法は簡単で、タブレットで操作ができ、生地の分量や焼き加減などの調理の調整をすることができます。
また、調理だけでなく、前準備や清掃、お客様を楽しませるためのダンスもでき、エンターテイメントとしても活用できます。

ロボットアームはユニバーサルロボット社の「UR5」、ロボットハンドとリストカメラはロボティーク社、具体的には形状の焼き色の判別にIBM Watsonの画像認識APIを利用しています。

 

 

「OctoChef」は2014年に創業され、コネクテッドロボティクス株式会社により開発・運用されています。
同社は「人間がやりたくない仕事はやらなくなっていく」問題を解決するために、テクノロジーを活用し、「そばロボット」や「ソフトクリームロボット」などの開発・運用もしています。
OctoChefは数百単位の店舗での展開が見込まれており、今後拡大する予定だが、たこ焼き専門ロボットの他にも、飲食店のオペレーションの効率化や省人化を行うロボットの開発も同時に行なっており、将来的には一般家庭で利用される調理ロボットの開発も行う予定です。

調理ロボットの市場

他の業界と比較しても、飲食業界では調理ロボットやIOT化などのデジタルトランスフォーメーションが遅れています。
日本では労働人口減少による人手不足や人件費高騰などで、飲食業の効率化や省人化は求められており、論理的には調理ロボットの需要はあります。しかし、ニーズは感じるものの、飲食業界では前例がなかったり、旧来の考え方が邪魔をして、開発から導入など市場が広がらなかったです。

続いて、飲食業界のIT化の遅れやITリテラシーの低さによるロボットの未活用、技術や安全面などによる懸念があり、調理ロボットを受け入れる風土がありませんでした。
加えて、飲食業界の収益構造にも課題があり、低い利益率の中から調理ロボット導入などに投資する人的余裕、経済的余裕がないことがありました。

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