ECやオンラインショップやネット通販など呼び方は様々ですが、店舗に行かずして、商品を購入することができるようになり、消費者の生活は便利になりました。
同時に商品を企画製造しているメーカーや販売している小売店は今ままでのやり方が通用しなくなり、デジタル化への適応が必須になってきました。
またマーケティング手法も年々変化しており、高度化複雑化しており、厳しい競争の中での勝負が必要になってきました。
このような現代において、「ECのメディア化」「Webメディアのオンラインショップ化」が進み、つまりWebのオンデマンドメディアとECサイトをAll in oneで運営するメディアコマースがトレンドとなっています。
この記事ではメディアコマースについて紹介します。
メディアコマースとは?
「メディアコマース」とは、メディアとECが1つのサイトになり、今まで別々に行なっていたことをまとめて、ユーザーにとっても利便性を高くして、広告から販売までをスムーズにするようにしました。
歴史を遡ると、2015年ごろから徐々にイーコマース→メディアコマースの流れ始まりました。
メディアコマースが増えて来た背景として、メディアの多様化したことにより、広告手法がテレビや新聞などのオフラインから、SNSやリスティングなどのオンラインに移行したことが挙げられます。
また、SNSやWebサイト構築が誰でも簡単にできるようになったため、参入障壁が低くなりました。
オンラインへ広告が移行したのち、デジタル広告が多様化すると広告費が高騰して、特にリスティング広告では費用対効果が見合わなくなりました。
そのすると、広告を使わずに自力でSEO対策をして、上位に表示させる方法が主流になり、Webメディアやオンデマンドメディアが脚光を浴びました。
メディアコマースのメリット
メディアコマースのメリットはメディアで情報を発信するため、オンデマンドメディアとして、顧客ロイヤリティを高めながら、同時に購買データなどの収集ができることです。
読み物としてのメディアがあるため、ブランドや商品やサービスに関する情報発信を丁寧に行うことで、信頼感や満足度を高めることができます。
ユーザーにとっても、メディア化したECでは商品の特徴を把握しやすくなり、興味を持って購入までスムーズにアクションすることができます。
商品に対する理解やこだわり、品質や素材など多くの情報をECサイトから得ることができます。
オウンドメディアの活用方法は2つの潮流あり、1つはオリジナリティの有無を問わずコンテンツを提供し、サイトの流入数やPV数を増やすことを目的に行われます。
2つ目は良質のコンテンツを継続的に提供することで、ブランドや商品を伝え、ユーザーのロイヤリティアップをすることを目的に行われます。
通常のEコマースサイトでは、商品の写真、名前、サイズ、金額、特徴、使用上の注意などが主な情報となりますが、メディアコマースでは、商品の使い方や開発背景、メディア側の担当者のレビューといった複合的な視点からの商品情報を提供します。
これにより、消費者が潜在的に持っていた商品ニーズをかき立て、新たな見込み客にすることができます。
ECサイトが乱立している昨今、値下げばかりの価格競争では利益率も悪化するため事業として難しくなるので、メディアで集客して、ECで販売するようにし、いわばメディアがトラフィックエンジンで、ECがキャッシュエンジンです。
メディアコマースの導入・運営にあたり
この記事を読んでいる方はメディアコマースの導入を検討している方などが多いと思います。
メディアコマースを始めること自体は難しくありませんが、質の高いサービスやコンテンツを提供し続けるにはいくつかのポイントが必要です。
前提の考え方として、メディアコマースはユーザーからは一つのサイトですが、運営側ではECとメディアで分けて考える必要があります。
双方が連携することもありますが、メディアは在庫がなく制作物やクリエイティブな業務で企業からユーザーへの情報発信の一方通行に対し、ECは在庫があり物流なども関連して、SKUなどの細かな数字の運用を行い、カスタマーサポートなどでは顧客とのコミュニケーションも必要になります。
つまり、「メディア」と「EC」の両方ができる人材や予算などの体制が必要です。
メディア側はユーザーへの情報発信をしながら、ブランドや信頼性を構築しながらも、グーグルなどの検索サイトで上位になるようにSEO対策を行います。
一度サイトに来て頂き商品ページまでの導線を作るのが、メディア側の最大のミッションです。
商品ページの内容を充実させ、購入いただいたら商品を梱包し配送し、この作業をいかに早く行うかが、EC側の最大のミッションです。
ECサイトでは商品を手にとって触ったりできないため、ユーザーは購入前に慎重になる傾向があります。
そのため、情報量を充実させ、ユーザーの知りたい情報を事前に伝えることで、安心感を与え商品購入に繋げます。
メディアコマースの事例
メディアコマースで最も有名なのが「北欧、暮らしの道具店」で家具や雑貨やアパレルの販売をしています。
ページ内に「お買いもの」と「読みもの」が混在しており、メディアとECの両方の機能が丁寧にわかりやすくて表示されています。
気になったらすぐに購入できる導線設計もされており、メディアコマースのメリットを十分に活用したサイトで、一度だけでは読み切れない量のコンテンツがあり、しっかりしたサイトの運営方針に従って制作されています。
他にも参考に
メディアコマースの代表的なサイトは上記になります。
これらのサイトではコマース(ECサイト)とメディア(情報発信サイト)のバランスをよく設計されています。
以上が、メディアコマースの特徴や参入の仕方についての説明でした。
メディアコマース参入を考えている方は、ぜひいろんなサイトをチェックしてみてください