ゴーストレストラン

クラウドキッチンとシェアキッチンとゴーストレストランの違いとは

飲食業界にもシェアリングエコノミーやデジタルトランスフォーメーションが浸透しており、飲食店にとって新しいサービスが続々生まれています。
最近の飲食業界の一番のトレンドはテイクアウトやデリバリーへの対応で、各サービスやシステムの導入が始まっており、これらの領域に特化した事業の開始を検討している方もたくさんいます。

飲食業界のIT化やデジタル化は「フードテック」や「レストランテック」と言われ、非常に注目されている業界になります。
その中で新しいキッチンや調理場の形が生まれてきており、「ゴーストレストラン」、「シェアキッチン」、「クラウドキッチン」と言われています。
アメリカでは日本よりも先にデリバリー文化が浸透したため、これらの言葉は一般的ですが、日本ではまだ新しい言葉なので、言葉の定義などが曖昧で混在してることもあります。
この記事では「ゴーストレストラン」、「シェアキッチン」、「クラウドキッチン」についてまとめてみます。

ゴーストレストランとは

「ゴーストレストラン」はキッチンなどを構え、お客様がテーブルや飲食するスペースを設けない飲食業の形態で、主にデリバリーのオーダーのみを受け付けて配達しているレストランで、「バーチャルレストラン」とも呼ばれています。
Uber Eatsや出前館などのデリバリープラットフォームの発達によって生まれたタイプで、デリバリーを前提としたレストランです。
お客様が店舗にこないため接客が不要のため、接客や会計用の従業員を雇う必要もなく、店舗運営オペレーションも注文を受け、調理し、デリバリーのドライバーに渡すのみでシンプルです。
飲食店の営業利益が売上比率10%に対して、ゴーストレストランは30%と言われており、人件費や賃料を抑えることができますが、デリバリサービス利用料として20-30%掛かりますので、費用としては非常に大きいです。
また、キッチンは数社と共有することが多く、デリバリーのみなので立地もこだわる必要もなく、飲食スペースも不要のため、開業資金が100万円以下で開始できることもあり、店を回転する前のテストとしてオープンする人も多いです。

一方で、デリバリープラットフォームへのビジネス上の依存度が高いことや、実店舗がないことでのブランディングの難しさが課題として挙げられます。

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シェアキッチンとは

シェアキッチンに文字通りキッチンを共有することですが、大きく2つに分類することができます。
一つ目はコミュニティスペースとしての利用で、寮やゲストハウスの共同キッチン、キッチン付スペースなどをさすため、飲食業界ではなく、宿泊業界で日常的に使われてきた言葉です。
宿泊業や宿泊施設で「シェアキッチン」の話をしている場合はこのケースがほとんどです。

二つ目は一つのキッチンを複数の飲食店や事業者が共同で利用することであり、時間別や曜日別で割り当て利用します。
例えば、夜しか営業していない飲食店はモーニングやランチの時間帯は営業しておらず、その分売上を作ることができません。
そのような空き時間に他の飲食店の方に場所を提供することで利用料を得ていたり、デリバリーに特化したゴーストレストランを運営する人に貸し出したりします。
このように空き時間に需要のある方に共有することを「シェアキッチン」といい、飲食業界ではこの意味で用いるケースがほとんどです。

基本的には借主は賃料を払って借りることが多く、時間単価や月額で計算することがほとんどです。

 

クラウドキッチンとは

クラウドキッチンはシェアキッチンとほぼ同じ意味で使用されますが、ゴーストレストランに特化したシェアキッチンを意味することが多いです。
インターネットでデリバリーサービスプラットフォーム経由で注文された料理を配送するためのキッチンとして運営しています。
クラウドキッチンはサブスクリプションモデルで月額制で利用者に貸し出す契約形態がほとんどで、利用者は契約ごUber Eatsなどで販売を開始します。
キッチン特化ですでに設備もあるため、内装費や備品や設備がかからず、すぐに安価で開業できます。クラウドキッチンを利用すると、通常の95%の費用で開業できると言われています。
また、デリバリーの顧客情報も豊富なため、データや代行業でアップセルもできます。

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なお、クラウドキッチンはベンチャー企業界隈ではクラウドキッチンとは、Kitchin as a Serviceとして「KaaS」と言われています。

 

このように似ているような言葉ですが、使い方が違いますので注意が必要です。
これらの新しい言葉が生まれた背景として、業界内にゲームチェンジが発生しており、今までとは違うやり方が生まれていますので、このトレンドは抑えつつ、最適な対応が必要です

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