近年注目を集めているスマートホテルはIT技術を駆使し、ホテル運営の効率化や宿泊するゲストの満足度の両方を高めたホテルのことです。
ホテルのスマート化には人件費の削減などのコスト面やゲストが気軽に宿泊できるなど多くのメリットがあります。
今回紹介するKeycafeはホテルでの鍵の受け渡しを無人化するサービスです。
この記事ではKeycafeのサービス概要や特徴から導入のメリット、デメリットまで解説します。
スマートホテルでのKeycafeのサービス概要
Keycafeは世界40都市以上、50万人以上に利用されている無人の鍵受け渡しサービスです。
このサービスさえあれば、ホテルや民泊での本人確認や宿泊台帳も必要ありません。
利用方法は小型の鍵専用のロッカーのKeycafeで鍵を預け、ゲストにアクセス権を付与し、受け取り状況をアプリ上で管理するだけです。
Keycafe設置場所は国内では東京、大阪、福岡、沖縄などにあり、コンビニやコインランドリーが多くなっています。
多くの鍵を管理したい企業向けの鍵管理ソリューションも特徴的で、ホテルのロビーに端末を導入すれば、受け取り、返却履歴などをAPIが自動で管理してくれます。
このサービスは24時間無休で管理者を置く必要もなく、内蔵されたSIMでインターネットにつながるので、Wi-Fi環境すら必要ない仕組みとなっています。
もしもの際のカスタマーサポートも年中無休で複数言語でのやり取りに対応しています。
Keycafeの特徴
Keycafeは例えるなら鍵のロッカーのような仕組みです。
無人かつ全自動で鍵の受け渡しができ、ホテル、ゲストともに手間がかかりません。
Airbnbと連携しているのも特徴で、利用料金はコンビニやコインランドリーの共用端末を利用する場合と端末を購入する場合のプランがあり、どちらもリーズナブルになっています。
鍵ボックスの暗証番号を自動的に振り分け、採番してくれるのも便利な点です。
Keycafeがあれば、無人化した宿泊施設であっても、受付手続きの前ではなく後に鍵を渡すことができ、宿泊者の本人確認や料金の支払いの処理までをデジタルでスムーズにできるのも利点です。
Keycafeのアプリの管理画面は使い勝手がよく、宿泊手続きや鍵の受け渡しなど様々な情報を一括で管理でき、ホテルの人件費の削減、無人化を進めるうえで必要不可欠なサービスと言えるでしょう。
Keycafeのメリット
ホテルへのKeycafeの導入には様々なメリットがあります。
第一にセキュリティ、防犯性が高まる点で、一般的に民泊のような宿泊施設では、宿泊するゲストのための鍵がメールボックスにそのまま入れられていることも珍しくありません。これでは防犯性に欠け、不安感がゲストの旅行体験、宿泊体験にも悪影響を与えてしまいます。その点Keycafeはデジタルで鍵に関する情報が管理されているので安心です。
第二にフロントでのアナログなやり取りがなくなるのも大きなメリットとなります。
小さな子供連れや深夜に遅れてしまったゲストなどの場合、フロントに並ぶ時間自体がストレスになります。
Keycafeであれば鍵の受け取りの都合が合わせやすくなり、ゲストの満足度も上がり、同時に管理するホテル側にとっても、大勢の宿泊者や鍵に関する情報を一括管理できるのはメリットです。
ホテルのスマート化を目指すうえで鍵の受け渡しの無人化は必須となります。
Keycafeのデメリット
Keycafeは非常に便利ですがいくつかデメリットもあります。
ホテル事業者から見た懸念としてはAirbnb以外のサービスとの連携不足があります。
KeycafeはAirbnbとのみ正式なパートナー契約を結んでいますが、Airbnb以外のサービス、例えば、ホテル事業とかかわりの深いBooking.comなどとは正式なパートナー契約をしていません。
よって自動化した処理は一部難しくなっています。またBooking.comとのパートナー契約については今後の動きに期待するとしても、そもそもホテルのスマート化が日本人に受け入れられるのかという問題があります。
高齢者の割合が大きく、保守的でITリテラシーも高いと言えない日本国内でスマートホテルが浸透するかどうかは未知数な部分も多いでしょう。
Keycafeはまだデメリットもありますが、日本でもスマートホテルは浸透していくと考えられます。Keycafeをはじめとした鍵の受け渡しを無人化するサービスはスマート化の第一歩です。