無人店舗

ニュージーランド発のスマートカートのIMAGRとは

リテールテックという言葉が世間に浸透してきており、ストアロボットや無人店舗やSaaS型店舗管理ツールなど小売業のデジタルトランスフォーメーションが加速しています。
リテールテックやストアDXの中でもっとも注目されているのが、無人店舗のテクノロジーです。
無人テクノロジーやセルフレジなどはRFIDや画像認識などいくつかの技術に分けることができます。
本日はスマートカートといい、ショッピングカートに商品を入れることで精算ができる技術を開発するニュージーランド発のスタートアップ企業IMAGRを紹介します。

2020年5月に有明にオープンしたイオンモールでもレジゴーというセルフスマートカートが導入されていますが、顧客がショッピングカートに入れる時にタブレットでスキャンすることで、値段や商品を認識して、決済を短縮化する技術です。
スマートカートというより、ウォークスルー決済に近いサービスです。

今回紹介するIMAGRはAIの技術を活用して、日本では導入例のないタイプのスマートカートの開発を行なっています。

スマートカートを開発するIMAGRとは

IMAGRはニュージーランド発のAIを活用したスマートカートを開発する2016年に創業されたリテールテック企業です。
「お店のレジでなぜ並ばないといけないの?」という不満の解決するために、新しいショッピング体験のできるショッピングカートを開発しています。

IMAGRでは、専用のショッピングカートを店内で利用し、顧客が商品をカートに入れて会計に進むだけの「フィルアンドゴー」方式によるシームレスな小売店の実現を目指しています。
待ち時間が短縮でき、お買い物が楽しくなる革新的なテクノロジーです。

IMAGRのスマートカートは、カートの縁に4台のカメラを設置しており、AI(人工知能)視覚認識システムでカートに投入された商品を選別し、事前にクレジットカードを登録した専用のアプリで支払いを行います。
このサービスはすでにニュージーランドのスーパーマーケットでは導入されており、日本でも阪急百貨店などで導入の予定があります。

IMAGRは2018年の日本で開催されたアジアアントレプレナーシップというスタートアップのピッチイベントにて、優勝しました。このイベントは東京大学や三井不動産らを中心に年に一度開催されており、アジア各国から将来有望なアイデアを持った起業家が一堂に会するものです。

東芝テックがIMAGRに出資

日本でPOSシステムや店舗のシステムソリューションの最大手の東芝テックがIMAGRに2020年1月に約5億円の出資をしました。
東芝テックはユニクロのFRIDを活用したセルフレジの導入など店舗のデジタルトランスフォーメーションを推進しており、今後新たな技術開発の可能性を見込んでIMAGRに出資をしました。
IMAGR社の技術と東芝テックを組み合わせることで新たなシナジーを創出し、リテールソリューション事業のソリューション強化を実現を狙っています。
出資者として東芝テックが後ろ盾になったこともあり、IMAGRの初の海外進出は日本で阪急百貨店で導入される予定です。

日本ではスマートカートはまだ少ないですが、外資企業の参入もあり、日本の市場の活性化と顧客行動の変化が起こる可能性があり、リテールテックや小売業のデジタルトランスフォーメーションは見ものです。

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