マーケティング

ホテルや旅館の宿泊業向けマーケティングオートメーション

B to BやB to Cの事業問わず、顧客ごとのニーズやターゲットを明確にしたマーケティング主流になり、効率的にマーケティングを行うためにマーケティングオートメーションを導入する企業が増えてきています。

しかし、ホテルや旅館などの宿泊業の集客はじゃらんや楽天トラベルなどのOTAに依存しており、価格も一律で人手によって決められるなど、マーケティングオートメーションが導入されていない宿泊施設が多いです。

この記事ではマーケティングオートメーションと宿泊業での利用する特徴について紹介します。

マーケティングオートメーションとは

マーケティングオートメーション(MA)とは、様々なマーケティング活動をデータなどを用いて自動化して行うもので、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツール」で、法人向け(to B)でも消費者向け(to C)でも利用される言葉です。
旧来は人手で繰り返し実施していた定型的な業務や、人手では膨大なコストと時間がかかってしまう複雑な処理や大量の作業を自動化し、顧客情報から過去のマーケティングの履歴まで一元管理し、マーケティングの自動化や効率化を図ります。

そもそもマーケティングとは顧客(ターゲットユーザー)が求めるものを作り、それを顧客に届けるための一連の活動ですが、昨今な激しい時代の変化の中で消費者行動が変化しており、マーケティング手法の複雑性や多様性になっているため、よりデータをもとに論理的にかつ効率的にマーケティングを行わなければなりません。

宿泊業のマーケティングオートメーション

宿泊業界は日本の中でもデジタル化やIT化がもっとも遅れている業界の一つと言われており、高齢者が人手や経験を活かし第一線で頑張っています。
宿泊業界で唯一デジタル化されているのがじゃらんや楽天トラベルなどのOTAで、他のものはアナログ運用していることが多いです。
また、マーケティングの専門用語やカタカナの多さなどが混乱の元になり、導入の障壁になっています。

そのようなホテルや旅館などの宿泊業界に最近マーケティングオートメーションを導入するケースが増えてきています。
今までOTA頼みだった宿泊施設の集客に対して、マーケティングオートメーションを活用することで自社集客に注力するホテルも増えてきました。

マーケティングオートメーションを活用することで、SNSでの自社マーケティングや施設のWebページと連動することなども可能です。
また、問い合わせフォームや過去の宿泊者の情報を一元管理することで、顧客の趣味嗜好に合わせたきめ細かいマーケティングを実現することができます。

マーケティングオートメーションは効率化や自動化だけでなく、チーム内のコミュニケーションを活性化させます。
今までは感覚や経験値でやっていたことが、数字やデータに切り替わるため、従業員の行動の結果が数字に現れます。
その数字を元にどのように改善したりするかの議論が活発になるため、コミュニケーションが活性化します。
マーケティングオートメーションを導入することで、今まではマーケティングの作業に使用していた時間をコミュニケーションを行う時間に移行することができます。

マーケティングオートメーションを導入することで

  • 予約のオンライン化により上昇したキャンセル率と、これに伴う機会損失
  • 顧客満足度を高めるサービス・生産性向上の両立
  • 顧客の増加と多様化による、リピート率の低下

このような課題に対して、下記のような効果が期待されます。

  • 顧客情報と営業活動の見える化で、キャンセルによる機会損失が激減
  • 事前コミュニケーションで、接客品質の向上と業務不可の軽減を両立
  • ダイナミックコンテンツとメール施策で、リピート率の上昇を目指す

宿泊業のダイナミックプライシング

ダイナミックプライシングは「商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させること」をいい、変動料金制や動的価格設定を表します。
身近な例では飛行機があります。お盆や正月の飛行機は通常時の運賃が2-3倍になることもありますが、高い乗車率になります。

宿泊業も週末や繁忙期は価格をあげても集客は可能ですので、なるだけ高い価格で販売した方が儲けになります。

ダイナミックプライシングによるAIの自動価格調整とは価格変動型のダイナミックプライシングの特徴やメリットデメリットについて紹介...

ダイナミックプライシングの特徴は商品の売れ行きや価格帯の情報を瞬時に提供して、導き出されたデータを使用して最適な価格を提示してくれます。
今までは人間が経験を糧に価格帯を決めて商品を仕入れ、そのデータを元にまた次の施策を考えていました。
これはそれまでの経験が市場とフィットしているときには最大の武器ですが、少しでも感覚が鈍ると店舗に対して損失を与えざる終えません。また、属人的なため優秀な担当者が退職した場合などには再現性が低い運用でした。

ダイナミックプライシングを導入することによりその感覚の部分をより視覚的に解るデータという形で提供してくれます。
適正価格を算出するためにはデータ収集が必要で、過去の実績、競合や近隣の情報、顧客属性、天気気温、販売チャネル、時間帯などによって価格を調整するため、詳細な情報収集をしておく必要性があり、このデータが多い程売上拡大に繋がります。

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