飲食業界は個人営業の店舗も多く、その経営手法や店舗オペレーションはアナログの場合が多く、未だに予約や注文は紙で受け付けていたり、リアルタイムで仕入れや売上の管理をしておらず、集客も新聞の折込チラシなどを行なっている場合があります。
これらの問題は人為的ミスを発生させやすく、データ管理されていないため今後の改善にも活かせません。
加えて、昨今の飲食業界の人手不足の深刻さは加速し、人を採用したくてもできない状況になっています。
このような問題を解決するためには飲食店も積極的にIT化やデジタル化を推進し、無人化や省人化や効率化に対応する必要があります。
飲食業界をデジタルトランスフォーションすることで、飲食業界または小売店にどのようなメリットがあるか解説します。
飲食業界を効率化する方法
飲食業界でIT化やデジタル化をすると大きく、「効率化・省人化」と「集客・売上向上」のどちらかに効果がもたらされます。
つまり、最終目的は利益の最大化です。
飲食業界を効率化①:POS
飲食店といえば、大型のPOSレジ又は手打ちのレジスター機をイメージする人が多いかと思います。
これらのPOSレジは導入費用に100〜200万円かかり、維持費としても月々数万円かかります。
一方でレジスターは費用も数万円程度と安く、毎月のランニングコストも安いですが、手打ちのため人為的ミスが発生しやすく、データ管理もできないのが難点です。
そこで最近導入されているのがタブレットなどモバイル端末を使ったモバイルPOSシステムです。
導入費用が無料のものもあり、クラウド上でデータ管理ができ、オーダー管理や売上管理もできるため非常に便利です。
又、フロアのスタッフはスマホで注文をとり、モバイルPOSと連携することもできますので、店内で注文ごとにキッチンに行く手間も省けます。クラウド管理なので、店舗にいなくても簡単に売上計上やデータ管理ができるようになります。
モバイルPOSはタブレットで利用することを前提に商品開発されていますので、UIUXもよく簡単に操作することもメリットの一つです。
飲食業界を効率化②:予約
従来の飲食店では予約管理を電話での口頭や紙ベースで行うことが多く、「予約したはずなのに」といったミスを誘発することもありました。
WEBによる予約管理システムを使うことにより自動的な集計が可能になり、ミスを防ぐことができます。
さらに来店日・人数・注文内容などをデータ化することができ、場合によってはリマインド機能を追加することにより予約キャンセルを防ぐこともできます。
顧客の情報をデータベース化することで、クーポンを発行したり、特別なプロモーションなどCRM施策として広告効果も抜群です。
サービスは月額制が多く、最安値で初期費用・月々0円のものから最高値でも月額3万円程度が主流です。
飲食業界を効率化③:決済
Paypay・LINE pay・Rakuten payなどここ数年でキャッシュレスの流れが押し寄せていますますが、日本は世界に比べるとまだまだキャッシュレス導入率は20%程度と低いのが現状です。
隣国の韓国は世界で最も普及率が高く約96%、中国は約66%、アメリカは46%ですので、日本も近い将来同じような数字になってもおかしくありません。
政府としても2025年までにキャッシュレス決済比率を40%まで伸ばすと発表しており、今後観光立国を目指す日本としては導入は必然となるでしょう。
「キャッシュレスサービスを導入しているかどうか」がお店を選ぶ基準になる日が来るかもしれません。
また、電子決済サービスの導入は集客だけでなく生産性向上にも効果があります。
電子決済サービスを導入すれば現金残高の確認作業は大幅に少なくなり、売上データの集計作業なども自動化でき、キャッシュレスサービスを利用してくれたお客様のデータ分析もできマーケティングや商品改善にも使えます。
飲食業界を効率化するデメリット
正直ほとんどデメリットはありませんが、「導入にコスト・時間がかかり情報収集が必要」「導入後、慣れるまでが一苦労」という2点です。
飲食店にとってITシステムの導入は一大イベントになり、毎日の業務をこなしながら情報収集を行い、担当者と打ち合わせをし、費用対効果を考え、導入時期を決め、その後は教育の必要があります。
ただ、飲食店におけるIT化は「未来のため投資」です。ハードルさえ乗り越えれば今までより効率的に売上を上げることができたり、利益率が大幅に改善したり、よりお客様に喜んでもらえたりします。
日本の飲食業界は未だITシステムの導入率が高いとは言えないので、ITシステムを導入することは他店舗との差別化になります。
導入時には大変なこともありますが、その先には売上UP・利益率改善・業務効率化などなど様々な恩恵があります。