メルカリなどのC to Cのビジネスモデルが確立され、需要者と供給者の両者の希望価格がマッチしたところが均衡価格となり、需要供給の過多過少により、市場価格よりも値段が著しく高くなったり、低くなったりすることがあります。
需要と供給のマッチした価格での販売なので資本主義の原理としては問題ありませんが、心理面で損得した感情が残ります。
需要と供給に合わせて価格は変動して商品が売買されるケースは増えてきています。
最近ではAIの技術を活用し、その時の需要と供給の適正価格に調整して販売する商品やサービスも増えており、この技術のことをダイナミックプライシングと言います。
今回の記事ではダイナミックプライシングについて紹介していきます。
ダイナミックプライシングとは
ダイナミックプライシングは「商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させること」をいい、変動料金制や動的価格設定を表します。
身近な例では飛行機があります。お盆や正月の飛行機は通常時の運賃が2-3倍になることもありますが、高い乗車率になります。
しかし、サービス自体や移動場所は通常時と全く同じです。
以前はこのような価格設定を人の手によって調整されていましたが、近年過去のデータや需要供給を分析してAIが自動で価格を調整するようになり、ダイナミックプライシングが注目されるようになりました。
過去は商売に置いて価格設定は重要な要素の一つで、商品を製作して市場に流通させ、順調に販売できれば継続して販売を続けることができます。
しかし、売れなかった場合はある程度の値引き幅の中で価格帯を下げて販売し商品を販売していき、商品販売と言う商いが始まってかなりの時間が経過していますが、依然としてこのやり方が踏襲されています。
このような背景が小売業や流通業やサービス業があり、季節や商品の売れ行きなどによって価格変動を促すシステムで、過去のデータから適正価格を導き出して決めるダイナミックプライシングが浸透してきました。
小売店からすると、売れなければ適正にシステムが価格を判断してくれる画期的システムで売上を最大化してくれます。
消費者にからすると、相場より安く買えるか高く買えるかで心理的影響が異なります。
ダイナミックプライシングの特徴
ダイナミックプライシングの特徴は商品の売れ行きや価格帯の情報を瞬時に提供して、導き出されたデータを使用して最適な価格を提示してくれます。
今までは人間が経験を糧に価格帯を決めて商品を仕入れ、そのデータを元にまた次の施策を考えていました。
これはそれまでの経験が市場とフィットしているときには最大の武器ですが、少しでも感覚が鈍ると店舗に対して損失を与えざる終えません。また、属人的なため優秀な担当者が退職した場合などには再現性が低い運用でした。
ダイナミックプライシングを導入することによりその感覚の部分をより視覚的に解るデータという形で提供してくれます。
適正価格を算出するためにはデータ収集が必要で、過去の実績、競合や近隣の情報、顧客属性、天気気温、販売チャネル、時間帯などによって価格を調整するため、詳細な情報収集をしておく必要性があり、このデータが多い程売上拡大に繋がります。
ダイナミックプライシングのメリットとデメリット
ダイナミックプライシングのメリット
消費者にとっては購入を狙っている商品の価格が下がる時期が解れば安価で購入する事が出来、すぐにほしいものでなければダイナミックプライシングを利用して価格が下がるまで待つことが出来ます。
企業にとっては需要がある時期に価格をギリギリのところまでつり上げて顧客に提供できるため収益増大が期待できます。そのため需要を狙い商品を事前に大量に準備することが可能になり、無駄を省くことが出来ます。
ダイナミックプライシングのデメリット
消費者にとっては今まで安価で手に入れられていた商品がある時期を境に急に高騰して商品を手に入れることが出来なくなり、購買意欲を削がれるといった可能性は否定できません。
企業にとっては色々な外的要因を計算して予測を立てなければならず想定しなければならないことが多く、結果として業務が増えてしまいます。商品の単価を上げすぎたために消費者離れを加速させてしまうという可能性が生まれてしまいます。
ダイナミックプライシングのAIとの関係性
ダイナミックプライシングを導入して成功させるには、AI人工知能の存在が不可欠で、AIを最大に生かすためには販売データや諸条件などをディープラーニング(学習)させる必要があります。
これが上手く機能するとAIとダイナミックプライシングの親和性を最大に活かす事ができ、AIのディープラーニング次第でダイナミックプライシングはメリットにもなりデメリットにもなると言っても過言ではありません。