ダイナミックプライシング

ダイナミックプライシングのメリットとデメリット

需要と供給に合わせて価格を変動させる価格戦略のことをダイナミックプライシングといい、観光業や宿泊業やエンタメやスポーツなどで導入されはじめました。
以前からあった変動価格制はあくまでも人の手によって価格を設定していましたが、ダイナミックプライシングは過去の実績や関連情報などのビッグデータからAIが機械学習をし、その時に合わせた最適な価格を算出することです。
このようにテクノロジーが進歩する中で多くのシーンでダイナミックプライシングが導入されています。

本記事ではダイナミックプライスのメリットとデメリットを紹介します。

ダイナミックプライシングのメリット

ダイナミックプライシングは、あらかじめ天候や曜日や時間帯などを詳細に条件設定を行う事により予測を立てて販売戦略を立てることが可能になります。そのため天候などの外的要因をビジネスチャンスに変えることが出来ます。
これにより無駄を省いた行動を起こすことも出来るため、企業として利益追求へとシフトしていける可能性が高くなり社員の意識変革も出来るようになります。

小売店にとっての最大の問題は商品の売れ残りや不要在庫を抱え廃棄をし収益率の悪化でしたが、ダイナミックプライシングを導入する事により明確にどの商品が残っているかが明確になります。
売れ残りを防ぐために価格を下げて商品を売り切ることができるようになります。商品の価格は下がりますが、売れ残りやフードロスをして全く収益にならないよりかは、少しですが売上に貢献できます。

商品が多く売れている場合にはそのタイミングを見て価格を上げることが出来るため想定していたよりも商品を収益に繋げることができます。
ライブやスポーツなどで実際に人気により価格が上昇し、主催者にとってはチケット価格が1.5倍になったという事例もあります。

消費者にとっては安価で商品を入手するチャンスがあり、消費者にとっては今まで高価で手が出せなかった商品に手を出すことが出来ます。
消費者にとっては欲しかった商品が安価で手に入るわけですから、お店に対して満足感を得ることが出来るようになります。

また、小売店などはクーポンなどを付与している店舗もあります。
例えば雨の日などに買い物をするとポイントが顧客に付与されて次回の買い物の際にそのポイントやクーポン券を使用することが出来ます。

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ダイナミックプライシングのデメリット

ダイナミックプライシングに向いている商材と向いていな商材があり、向いていない商材で行っても適正に販売実績をあげることはできません。
シーズン制が強いもの、需要が見込めないものはダイナミックプライシングに向いていますが、日用品などのいつでもどこでも同じ価格の商材についてはダイナミックプライスは向いていません。

消費者にとって購入したいと考えていた商品があり、購入を決めた商品はその時点で安価だったが、購入行動を起こした際には人気があって価格が上昇してしまうというケースもあります。
企業にとっては消費者を逃してしまったと言う事になります。消費者にとっては安く買えなかったので悔しい思いをすることもあります。

ダイナミックプライシングは、価格変動があるためあまりに大きい変動があると顧客が離れてしまう可能性があります。
AIが決める価格設定ですが、その価格があまりにも理不尽な場合などは返って不信感が募ります。消費者に対して価格の透明性が担保出来ないというリスクがあります。

ダイナミックプライシングを導入するときはシステムの改修があるので、コストが発生するので、導入前後をシミュレートする必要があります。
それが出来ていれば最大の効果を発揮しますが、コスト計算やシミュレートが上手くいかないと単なるコスト増と言う事になって企業に打撃を与える結果となります。

 

ダイナミックプライシングは収益を最大化するために非常に合理的ですが、人の感情は価格に敏感ですのでその点も留意して導入などの検討が必要です。

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