D2C

DNVBとは?D2Cと似て非なるビジネスモデルについて紹介

ニューノーマルのライフスタイルにおいて、ECサイトでの購入を中心に考える動きは、消費者の行動として益々、広がってきています。
ECで購入できるものは、ECで買う!という消費者の行動変化に対して、小売事業者の中で注目されるビジネスモデルがD2C(Direct to Consumer)です。
自らがメーカーであり自社製品を自社のECサイトで直接販売する事業者。オンラインから始めている事業者が大半で、段階的に店舗を開設している例があります。

たとえば、オーダースーツのD2C事業者である、”Fabric Tokyo”は、オンラインからスタートし、オーダースーツの採寸をする店舗を拡大しています。丸井との提携によって、事業拡大を進めていることも注目されています。

D2Cはオンラインで、直接顧客とコミュニケーションをしていますので、顧客の声をダイレクトに生かし、ビジネスにフィードバックするビジネスプロセスが確立しています。

昨今では、D2Cを更に深化させた、DNVBというモデルも定義される様になりました。
そこには、リアル店舗を異なる付加価値提供の場として捉える動きがあります。
「モノ売りの場としてのリアル店舗から、顧客体験を売る場」への変化です。

DNVBという定義を理解すると共に、その先進事例をみていきます。

 

DNBVとは

DNVBとは「Digitally Native Vertical Bland」の略であり、D2Cにおける形態のひとつです。企画、生産および販売まで自社で行うビジネスモデルのことで、広義でD2Cモデルと同じと言えます。

自社やブランドの展開に主軸が置かれているのが特徴的で、ブランドイメージを明確に表現した上で顧客からの共感を得ることや信頼関係の構築が重要視されます。
製品としては、ニッチな市場において、また、ミレニアル世代以降のデジタルネイティブ世代をターゲットとしています。
マーケティングにおいてはウェブ上のコンテンツやSNSが盛んに利用されます。

DNBVの特徴

そのDNVBを志向するブランドには以下の3つの特徴があります

  • 商品を売るだけではなくサービスが付随
    D2Cは、商品や情報を届けるチャネルだったのに対し、サービスを届けるということと、インタラクティブに届けることができるようなチャネルを複数持っています。
    米国発の「Peloton」は、エアロバイクのD2Cを展開していますが、そこにエクササイズのためのオンライン動画サービスがついていたり、同じクラスを受講している人同士とつながることができるコミュニティサービスなどがついています。
  • 顧客とのダイレクトなコミュニケーション、マーケティング
    SNSを通じて、顧客とのコミュニケーションやマーケティング活動が密接に実現できす。
  • デジタル&データドリブン
    ECサイトでの顧客データを保有していますので、その分析やカスタマージャーニーを実現し、その考え方を実店舗にも生かすことができます。
    消費者がどの商品に興味をもったのかデータとしての分析などが可能です。

DNBVブランドの事例

DNBVブランドは米国を中心に成功事例を輩出しています。

  • BONOBOS
    2007年アメリカにて創業のメンズアパレルでDNVBの先駆者ともいえる存在です。
    実店舗は試着目的でオンラインでのみ販売をおこなうという今ではスタンダードな方法を取り入れ大成功を収めました。
    「男性は店舗でズボンを購入したがらない」「ほとんどの男性はフィットするズボンを探すのに苦労している」の2つの課題に着目に、成功しています。
  • Warby Parker
    購入前に気になったメガネを5日間無料で試すことができるサービスを取り入れたメガネブランドです。
    「ファッショナブルなメガネをもっと低価格で提供したい」という思いから、ほとんどの商品が一律95ドルで販売されているのが特徴です。
    これまで独占状態にあったアメリカのアイウエア市場に、自社でデザイン・製造を行い、オンライン販売でコストを削減することで、消費者が気軽に購入できる低価格なメガネを販売することに成功した。現在では実店舗を100店舗近くまで拡大している。
  • Heading South
    Heading Southは、女性向けのパンプスを中心に展開し、お客様をおもてなしする場として日本橋にショールームを構えています。
    プロダクトの販売だけでなく、オウンドメディアでの情報発信やイベントの開催を通して「ありたい自分に向かって、しなやかに生きるひと」をクローズアップする活動を行い、コミュニティを醸成しています。

今回は、D2Cブランドを更に深化させたDNVBについてご紹介しました。
DNVBは、「商品だけでなくサービスも提供」「顧客とのダイレクトコミュニケーション」「デジタル&データドリブン」を実現したブランドの特徴をもつ、D2Cの進化系ブランドです。

まだ、日本では成功事例の少ないビジネスモデルですですが、ミレニアム世代が消費の中心となっていく中でビジネスモデルの変化も必要です。更に、アフターコロナの消費者行動は明らかに変化しています。
これまでのD2CビジネスモデルをアップデートしたDNVBのビジネスモデルは、そうした消費者行動の変化に合致していると考えられます。

注目のD2Cの全てを解説!初心者のためのD2C入門!D2C型のビジネスモデル、特徴、メリットデメリットなど、これからD2Cに参入や関わる人を対象にまとめています。...