D2C(Direct To Consumer)という新しい小売業や販売の構造が日本で浸透してきており、スタートアップ企業でD2Cの領域に参入する企業が増えてきています。
日本のD2Cはアメリカと比較すると歴史も浅く、マーケットも小さいですが、その中でも急成長を遂げた企業の事例がたくさんあります。
この記事ではd2cで事業を展開するスタートアップの事例やビジネスモデルを紹介しましょう。
D2Cスタートアップの事例①
2016年4月に創業したベースフード株式会社は、気軽に美味しいものを食べられることをテーマとして主食の開発と販売を行なっています。
ベースフードは2017年2月にベースパスタという生麺を販売開始をし、栄養豊富な食材が生麺に練り込まれていて、こちらを茹でてパスタソースをあえるだけで美味しく食べることができます。
2019年3月に新商品としてベースブレッドの販売を開始し、これは冷凍パンであり、糖質や脂質が大幅にオフされていて、調理せずに食べることができます。
ベースフードはこれらの商品を消費者に対して直接販売しており、ベースパスタについては、ユーザーの中でオリジナルのレシピを公開したり共有しており、SNSを中心に自然と話題になっています。
商品を開発した当初はどこのお店でも扱ってくれず、販売方法を切り替えて自社で直接販売するD2Cモデルに切り替えたのがきっかけです。
その結果、直接顧客からの声を聞くことができて、すぐに商品企画に反映させることができ、固定ファンを増やすことに成功しました。
D2Cスタートアップの事例②
株式会社βaceはチョコレートの世界で日本ブランドを成功させたいと願って立ち上げられた会社で、Minimalという独自のチョコレートブランドを展開しています。
チョコレートは実店舗で販売していて、その際にはチョコレートの試食をしてもらっています。
多くの種類のチョコレートを試食してもらい、できるだけ長くお店に滞在してもらう工夫をしており、お客さんの反応を確かめて、商品開発に活かされます。
D2Cだからこそお客さんがチョコレートを味わう様子を間近で確認することができ、PDCAを高速で回すことができるのです。顧客との距離が近い環境でものづくりを進められることがMinimalのブランド力を高めた原動力となりました。
こちらの会社が設立されて3年でMinimalは国際品評会において部門別の最高金賞を受賞したのです。これは日本のチョコレートブランドとしては初めての快挙となりました。
株式会社βaceは、D2Cモデルで販売している認識していなかったようでが、次第にβaceの販売方法をD2Cであると気づいてからは、その利点を生かすビジネススタイルを追求しました。
今ではお客さんに商品を伝える際の順番までしっかりと考えているそうです。
D2Cの成功事例を「ウイメンズアパレル」「メンズアパレル」「コスメ・化粧品」「食品・サプリ」など商品別にまとめています。
また、店舗でD2Cブランドをチェックする場合にはB8ta(ベータ)がオススメ
D2Cスタートアップの事例③
FABRIC TOKYOは「LaFabric」というカスタムオーダーファッションレーベルを展開している会社です。
こちらの特徴はリアル店舗において顧客の採寸をして、それにピッタリと合う服をオーダーメイドで制作しており、都内に複数の店舗が展開されており、そこで採寸したデータは保存していて、次回以降は採寸することなくすぐに服のオーダーをすることができるのが特徴です。
FABRIC TOKYOはリアル店舗を体験スポットとして位置づけており、その際には徹底して顧客に体験してもらうことを重視しています。
たとえば、顧客の中にはネットで服を買ったという経験のない人もおり、そのような人のために、店舗にタブレット端末を用意しており、そちらを活用して注文してもらうという体験を提案しています。
これによって、ECサイトを通して服を購入することへの抵抗感をなくしています。
リアル店舗による販売のため、顧客のさまざまな情報を容易に収集でき、それらの情報は商品企画やマーケティングに生かされており、顧客のニーズに合った商品やサービスを次々と展開して成功しているのです。
FABRIC TOKYOは自社の製品のみを自社のチャネルを用いて販売しています。
そのためには、ブランド力のある商品づくりが欠かせませんし、ユニークな商品づくりを心がけていて、それは話題を集めています。たとえば、マイクロカプセルが含まれていた体温を32度に維持できる「THE TECHシリーズ」です。あるいは岐阜県の大垣市にある伝統的な布地を用いて作成した「THE ROOTSシリーズ」など他社にはない独自色の強い商品が目立ちます。
D2Cに成功したスタートアップ企業についてまとめました。
さまざまな企業がD2Cのビジネスモデルを取り入れることで成功しており、今後も日本においてD2Cはより注目されていきます。