D2C

注目のD2Cモデルのメリットデメリットとは

新しいサプライチェーンの形のD2Cがスタートアップ業界で浸透してきており、ニュースを目にする機会も多くなりました。
その中でD2Cへ参入しようと考えている企業も多いと思いますが、企画生産流通販売までを独自で行うことは簡単ではありません。
また、スタートアップ界隈での流行りで事業化を決める前に、D2Cモデルのメリットデメリットを把握した上でそれを行う能力や経験や資産を確認し、導入や参入するか判断が必要です。

この記事ではD2Cのメリットデメリットについて紹介します。

D2Cのメリット

D2Cのメリットは4つあります。

  1. 利益率の良さ
    中間の卸売業や小売業で流通させないため、利益率が高くできたり、強豪と比較して安い価格で販売することができます。
    中間マージンが取られないため、浮いた費用をマーケティングに使い、さらなる販売を推進することも可能です。
    また、ECなどのオンラインでの販売がメインで実店舗を持たないため、家賃や店舗従業員の人件費などが発生しないため、固定費を低く抑えることができます。
    Amazonで販売した場合には多くの費用がかかり、毎月4,900円の登録料に加えて、購入された商品の約8〜15%が販売手数料など売上から約20%が引かれてしまいますが、自社ECの場合は心配無用です。
    加えて、費用だけでなく、プロセスも簡易化し、中間業者が減ることでスピーディーに事業を進めることができます。
  2. 自社ECでの販売
    日本ではAMazonや楽天がECのプラットフォームが有名で集客力という強みがありますが、システムの制約が存在し、独自のマーケティング施策を行うには適していません。
    D2CはAmazonなどのプラットフォームで販売している企業も一部ありますが、基本的には自社ECサイトで販売します。
    その場合、強豪との価格競争に巻き込まれることもなく、適正価格で販売することができるため、利益を痛めることもありません。
    加えて、自社でマーケティングを行うため、インフルエンサーやアンバサダーを起用して積極的にイメージアップを行うことができます。
    D2Cは自社ECにアクセスした人の滞在時間や離脱ページやセット購買や購買サイクルなどを把握することができるので、購買に至るまでの効果的な施策ができます。
  3. 顧客との関係性
    D2Cの一番の魅力はSNSなどを通じてブランドを作り、顧客とコミュニケーションを取りながら関係性を構築することができます。顧客に商品を直接届け、SNS上でユーザーの投稿に直接メッセージを送ったりなどのコミュニケーションが可能で、顧客からの声を商品改善や新商品の開発などに繋げることができます。
    従来の小売業やメーカーのスキームだと、情報管理の視点からも情報開示にはネガティブで、ブラックボックス化されていたいりしていましたが、自社で全て行うのでそのような心配もありません。
  4. ブランディング
    D2Cの肝となるのが、ブランディングで企業や商品作りのストーリーに共感してもらい、ファンになってもらうことがほとんどです。
    顧客へのストーリーやメッセージの届け方などは自由にブランディングができます。
    コアなファンは商品を購入する際に必ずサイトを訪れるので、関係性を構築しやすくなります。
注目のD2Cの市場規模や動向をチェック新しい小売業やメーカーの型のD2C型のビジネスモデルの市場規模やトレンドを紹介...

D2Cのデメリット

D2Cのデメリットは3つあります。

  1. 独自で企画生産流通販売までを手がける
    サプライチェーンの全てを行うには時間と経験が必要で、なかなか物事がうまく進みません。
    開発はOEMなど他者に委託することは多いですが、少人数でスタートする場合にはマルチタスクが必要になります。
    また、自社ECシステムの開発や運用、消費者に商品を届ける物流システムの構築からピッキングや梱包の作業、顧客対応も個別な細かな対応などたくさんの業務を内製化しなければなりません。
    D2Cの環境構築にはコストとリソースが必要ですので、そのコストとリソースを回収できるだけの売り上げが見込めなければ、なかなか踏み出すことは難しいといえます。
    また、商品作りから行い在庫を保つため、初期費用がかかりますし、キャッシュフローも厳しい状態が続くことが予想できます。
  2. ブランディングありき
    SNSを通じてファンを作り、信頼関係を構築するD2Cは商品そのものよりもブランドにファンは魅力に感じます。
    そのため、商品ファーストではなく、ブランドファーストになるため、商品開発へのこだわりが弱くなる可能性があります。
    一方、実店舗がないため顧客との信頼関係が深くならない懸念もあります。店舗で実際に商品に触れて、従業員と会話することでより愛着や信頼関係が強いものになりますが、オンラインだけのコミュニケーションだとそれが難しいのが現実です。
  3. 継続性
    D2Cの集客はSNSが中心となっているため、常に話題性のあるコンテンツの発信が必要です。
    流行やトレンドのキャッチアップと同時に、流行を作る施策も行う必要があり、高いマーケティング能力が必要です。

 

このようにD2Cにはメリットデメリットの双方がありますが、注目度の高い領域で今後市場が加熱することが予想されます。
メリットデメリットを把握した上で、参入を決める必要があります

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