小売業やマーケティングの新しい形としてD2Cというビジネスモデルがあり、消費者に対して直接商品を届け、コミュニケーションを取ることで商品の販売を促進しています。
このD2Cモデルは商品の機能や良さはもちろん、ブランドの哲学やミッションや商品づくりの過程などのストーリーに共感を得て、ブランドのファンを創造し、商品販売につなげます。
この記事ではD2Cのマーケティングとブランディングについて紹介します。
マーケティングとブランディングの違い
まず、D2Cに限らずマーケティングとブランディングの似て非なる言葉について説明します。
マーケティングは企業や発信者からイメージを相手に伝える活動や努力で価値を伝えて販売する仕組みを構築することに対して、ブランディングは相手に企業や発信者のイメージを持ってもらうように活動や努力で心の中に価値を埋め込むためのコミュニケーションです。
つまり、主語が企業や発信者の場合はマーケティング、主語が消費者や受信者の場合はブランディングです。
マーケティングとブランディングは双方適切なバランスが必要で、2つの車輪のように同時に進めていく必要があります。
D2Cのマーケティング
D2Cは、Direct To Consumerの略で、企画・製造・流通・販売を自社独自で行い、製造した商品を流通・販売するためにマーケティングは必須となります。
D2Cはスタートアップなどの小さい企業がほとんどで、大企業のように歴史や認知度がないため、積極的にマーケティングが必要ですが、大規模な予算や優秀な人材がいるわけではないので、試行錯誤の連続です。
一方で小さい企業だから大企業に勝る点もあり、D2Cは企画・製造・流通・販売を独自で行なっているためスピーディーに事業を進めることができ、細かくPDCAサイクルを実施し、商品やサービスの改良を続けてリピーターの確保ができます。
D2C市場が伸びている背景の大きなポイントは「通販市場の拡大」と「SNSの日常化」で、D2Cを成功させる要素は「商品価値が高いこと」と「デジタルマーケティング」です
商品価値を伝える際には「他社製品との差別化」のある商品を開発することや、製造から販売までに至る工程を公開する事や価格に対して妥当性や公正性を明示することが必要です。
商品価値が高い商品だと市場価格より高値であっても販売することができます。
デジタルマーケティングは、直接お客さんとつながることができるSNSをメインに行う必要があります。
費用が高いですが、有名人をアンバサダーとして起用したり、インフルエンサーに商品などを利用してもらい拡散してもらうなども非常に効果的です。
加えて効果的なマーケティングとして、データを元にしたCRMです。
D2Cは自社ECで販売するため、顧客の情報を収集することができるのがビジネスモデルの強みです。
その顧客の年齢性別などの属性情報から、購入頻度や一緒に購入した商品など購買行動を把握することもでき、情報を元に顧客一人一人に合わせたCRMマーケティングを実施することが可能です。
続いて、D2Cのマーケティング戦略の一つに実店舗の出店です。
SNSを中心のインターネットのマーケティングですと、どうしても対象顧客が限定されてしまいまので、店舗を持つことで近隣に住む方や周辺に通り掛かった人に来店いただき新規顧客になってもらえるチャンスがあります。
また、D2Cと言っても商品はアパレルや化粧品コスメや食品やターゲットの性別や年齢も違い、それに伴い、ターゲットに合わせた施策が必要です。
例えば、アパレルだと写真に特化したSNSのInstgramとの相性がよく、Twitterとの相性は決して良いとは言えません。
ターゲット層が20代~30代場合はLINEやSEOなどなども効果的です。
D2Cブランドは直接顧客と接点を持つことができるのが強みなので、定期的に定量的な「アンケート」を実施し、その声を元に消費者行動や需要、商品やサービスに対するフィードバックを集めて、商品開発やオペレーション改善に努めることもできます。
D2Cのブランディング
D2CではInstgramやTwitterなどのSNSを活用して、顧客と密にコミュニケーションを取り、顧客と信頼関係を構築することができます。
ブランディングをする上で大事なのが、顧客のブランドへのロイヤリティ(愛着)を高めることで、顧客のロイヤリティが高くなると、顧客が定着化し、サブスクリプション(定期販売)なども可能になり、収益の安定化が見込めます。
D2Cは基本的には店舗を持たず、自社ECで商品の販売をするため、デメリットとしては直接接点がなく、ブランドを育てにくい点があります。
以前の小売業では、店舗があり実際に商品に触り、その従業員から説明を受ける中で商品や会社に愛着をもちましたが、インターネット上のコミュニケーションよりも店舗で実際に見て聴いて触った方が効果が大きいのは明らかです。
そのため、D2Cブランドでもブランディングのためにポップアップストアなどを出店する企業も増えてきています。
ブランディングの一つにコミュニティイベントを行う場合もあります。
企業と顧客を繋げるのみならず、顧客と顧客の横の構築を作ることで、ブランドへの愛着を強固なものにします。
また、ファンを作るためにクラウドファンディングなどのプラットフォームを活用し、早い段階で実績を作ることもできます。
ある一定数クラウドファンディング好きもいますし、製造前に受注販売や予約販売という形で実績を作ることができます。
D2Cの成功事例を「ウイメンズアパレル」「メンズアパレル」「コスメ・化粧品」「食品・サプリ」など商品別にまとめています。
また、店舗でD2Cブランドをチェックする場合にはB8ta(ベータ)がオススメです。
この記事ではD2Cのマーケティングとブランディングについて紹介しました。
今後も加熱するD2C市場でマーケティングとブランディングをより重要度を増してきます。