売り手と買い手の立場を表す言葉としてBtoBやBtoCなどがビジネス用語として使われてきましたが、近年新しいDtoC(D2C)という言葉を耳にする機会が増えてきました。
D2Cは「Direct to consumer」の略語で、生産者が直接消費者へ商品を届ける手法で、間に卸屋や販売する小売店を挟まない販売手法です。
アメリカでいち早くトレンドになったD2Cモデルは、2020年ごろから日本でも一気に話題になりました。
この記事ではD2Cやその市場に関する説明をします。
D2Cの市場とは
D2CとはDirect-to-Consumerの略称で、仲介業者を挟まずに自社の販売チャネルで企画・製造した製品を直接販売するビジネスモデルのことです。
なぜD2Cのような新しいサプライチェーンモデルが普及したかというと、SNSやインターネットを通じて消費者と直接コミュニケーションや接点を持てるようになったからです。
そのため、ブランドメッセージは直接消費者に届き、消費者が直接良し悪しの判断をして、購入の判断をするようになりました。
以前は店頭に並べることが顧客との接点でしたが、SNSを通じてその常識が変わりました。
D2Cは、いわゆる「メーカー直販モデル」のことですが、従来までと大きく違うのは、ITを最大限活用して、マーケティングや顧客関係管理、流通といったあらゆる情報やデータをデジタル化し効率的に運用することです。
D2Cブランドの成功のステップアップとして、ECやオンラインでの販売やブランディングがうまくいくと、POPアップを含む実店舗を出店することが多いです。
オンラインには直接接点を持てたり、簡単に買い物ができるメリットがありますが、顧客との信頼関係構築やブランディングを後押しするために人や物との直接的な関わりが必要です。
ブランド認知やファンを増やすために、主戦場はオンラインに置きながらも、実店舗を運営するD2C企業は多いです。
D2Cの成功事例を「ウイメンズアパレル」「メンズアパレル」「コスメ・化粧品」「食品・サプリ」など商品別にまとめています。
また、店舗でD2Cブランドをチェックする場合にはB8ta(ベータ)がオススメ
D2Cのアメリカ市場の動向
D2Cはアメリカでは2015年ごろから浸透しており、今では市場としても大きくなっており、既存の小売業やECなどにも大きな影響を与えています。
アメリカにはD2Cでのユニコーン企業が10社あり、優秀な人材もお金も集まる領域になっています。
そのため、世界最大手のスーパーマーケットのウォルマートや日用品の最大手のP&CなどがD2Cブランドを買収するようになっています。
大手企業はまだ小さいD2C企業を買収することで、ライバルを減らし、かつ新たな事業として育てていく予定です。
D2Cの日本の市場の動向
日本でも新興のD2Cスタートアップが日の目を浴びるようになりましたが、売上が3億円未満と小規模の企業がほとんどです。
日本では大型資金調達をしているD2C企業はないですが、EC市場が伸びていたり、SNSの発展で個人で発信して、個人に対してファンがつくトレンドはアメリカと一緒ですので、今後日本でもD2C市場が伸びると予想できます。
今後、日本の市場では小売業の店舗の数は減少し、店舗閉鎖や業務縮小が起こり、同時にD2Cなどの新しいサプライチェーンモデルが導入されます。
消費者のECやスマホに対するリテラシーも日に日に高くなっており、インターネットを利用したブランディングがより重要になってきます。
加えて、サブスクリプションやシェアリングエコノミーの台頭により、事業者の販売の仕方や消費者の買い物の仕方が日々変化しています。
このような時代の激しい変化に適応できるのが、生産企画流通販売を一括で行うD2Cモデルです。
D2Cの市場規模
正直なところ、日本のD2Cの市場規模に関するデータは2020年5月現在はありません。
理由はD2Cモデルがまだ新しいビジネスモデルで、参入企業などが少ないため、データの母数が少ないからです。参入企業が増えたり、認知度が上がれば情報も蓄積されるので、市場規模が算出できるようになります。
加えて、D2Cの線引きが曖昧ということにあります。
D2Cはあくまでも生産企画販売のモデルであり、そのやり方でアパレルやコスメの販売をしています。そのため、業界で見るとアパレルやコスメに分類されることがほとんどです。
また、D2CはSPAやハンドメイドやプライベートブランドなどとも似ており、これらの明確な違いの定義などもないのが現状です。
今後D2Cの市場は伸びていき、日本でもD2Cに関する情報が多くなることが予想されますので、継続的に情報収集することが必要です。