D2C

D2C 国内成功企業から学ぶべきポイントとは

近年、注目のキーワードとなっている「D2C」。「ダイレクト・トゥ・コンシューマー」の略で、自ら企画、生産した商品を消費者にダイレクトに販売する方法を指す。直接、消費者に訴えかけるD2Cブランドは、ユニークなコンセプトやこれまでなかった機能を持つものが多く、SNSなどで話題を集めファンが拡大する成功例も増えている。D2Cの注目度が高まり続ける中、「D2Cは過渡期に差し掛かりつつある」と指摘される声もでてきております。D2Cブランドが増えたことで、優勝劣敗も鮮明になる可能性があでてきております。「マーケットの変化」や「成功するD2Cのポイント」などについてみていきたいと思います。

コロナで変化するD2Cマーケット

今後、さらにEC化が加速する時代になっていきます。巣ごもりで消費者のスマホ利用が伸びており、SNSで得た情報や口コミを参考にした買い物はどんどん増えています。

百貨店への卸しを中心に行っていたメーカーから、D2C展開の問い合わせが急増しているというお話もお伺いします。DXの波がメーカーサイドにもきています。これまでは意欲的な中小企業や新興企業が大手企業よりも先んじて、スタートしておりましたが、最近では大手企業もどんどんスタートしてきております。

また、「サブスクリプション」への抵抗感が世の中でなくなってきています。コロナ禍に「Netflix」「Hulu」などの定額制動画配信サービスの利用者が増えています。サブスクリプションへの慣れはまだコンテンツ寄りのものですが、商品のサブスクリプションも普及してきました。 さらに例えば、オフィスや自宅でレンタルする家具のサブスクリプションなども台頭してきており、「無印良品」など大手企業もサブスクリプションに参入し、サービスの認知度も高まってきました。

EC事業全体が好調なので、基本的にはジャンルを問わず伸びています。コロナ禍で特に伸びたジャンルといえば、食品系が顕著です。健康への意識が高まっているのもあって、低糖質の弁当や完全食など機能性の高い食品のニーズも増えています。外に出れないなら今のうちに自分を整えていこうという意識の高まりから、これまで外に向いていた消費者の意識が内向きになっているのではないでしょうか。

D2Cブランドの成功事例

DINETTE

コスメのD2Cブランドを展開するDINETTEは、インフルエンサーマーケティングを駆使したD2C企業の1つです。著名なインフルエンサーを活用するというよりは、少しフォロワーが多いマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーなどに、しっかりとブランドやプロダクトの魅力を伝え商品を使ってもらい、地道に口コミを広げています。
SNSを駆使しながらも泥臭くブランドを広めています。
プロダクトに関しても「まつげ美容液」が主力商品ですが、ユーザーから欲しいアイテムをヒアリングし、要望に沿った商品を作る形でラインアップを増やしています。「SNSを使うことが当たり前」であるミレニアル世代の経営者ならではの経営です。

グライド・エンタープライズ

グライド・エンタープライズが販売するフェイスマスク「ルルルン」は、デジタルシフトに成功しているケースです。 総合ディスカウントストアなどリアル店舗での販売が中心でしたが、コロナの感染が拡大する前からEC事業に力を入れており、EC比率を急速に伸ばしています。もともと商品の知名度は高く、ファンは多いです。ただそれに甘んじることなく、積極的にコラボを展開し話題を集めています。「旅するルルルン」というシリーズではご当地フェイスマスクを展開したり、「沖縄ルルルン」「北海道ルルルン」といった形でその地域ならではの原料や香りを付加した商品を開発しています。

話題作りだけでなく、LINEを活用したユーザーとのコミュニケーションにも積極的です。ウェブサイトのポップアップやさまざまなマーケティングを通して、多くのLINE友だち(フォロワー)を獲得しています。友だちになったユーザーには、頻度高くクーポン情報などを発信し、商品力に加えてそのお得なコミュニケーションによって、気付くと「よく買っている」ユーザーが増えているのではないでしょうか。

2021年、D2C業界の勝ち筋は?

所有しているモノが自己表現になる時代なので、ブランドの価値が明確であることが重要になってくるでしょう。例えば「BALMUDA」の家電は今までの家電とは違い、持っていたら見せたいと思うデザインで家電をインテリア化しました。決して手が出しやすい価格ではありませんが、消費者がブランドの世界観に価値を見出し購入され続けています。

ブランドの世界観とは「こんな思いを持つ人に届けたい」という思いから生まれてくるものです。最近のD2Cブランドを見ていると、ニッチなターゲットに向けた商品がブランドのメッセージも明確なので、伸びている傾向にあります。

理念や世界観を体現するのはスタートアップが得意とするところです。大手企業でも別会社でブランドを展開したり、既存のブランドと一線を画したブランド展開をすることでD2Cブランドの価値を際立たせることができるでしょう。

まとめ

D2Cをグロースさせるためのパートナー選びも重要になります。ブランドの世界観を追及するために、システムやパートナーがボトルネックになってはいけない。多種多様なアライアンス企業や決済企業と提携することで、クライアントの事業を幅広くサポートしボトルネックを解消していくこともオススメします。

多くのD2Cブランドが消費者に商品の価値や魅力を伝えられるよう、本日の記事が役立てば幸いです。