D2C

ホテル業界のD2C!成功事例などを徹底解説

D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、メーカーやブランドが消費者に直接商品を販売するビジネスモデルのことを指します。問屋や小売店などの流通経路を経由するのではなく、メーカーやブランドが自社のECサイトを利用して直接消費者に商品を販売するビジネスモデルです。

今ホテル業界でD2C型のビジネスモデルが注目されてきています。
本記事ではD2Cの特徴やメリット、D2Cモデルを導入したホテル業界の成功事例をご紹介いたします。

なぜホテル業界でD2Cなのか?

D2Cモデルを用いると、小売店や代理店を経由する必要がないため、手数料や流通コストを大幅に削減することが可能となります。

ホテル業界では、OTA依存度が増していることにより、低価格・低利益化している現状があり、D2C型のビジネスモデルを導入することで、この状況を打開する動きが強まってきています。

※OTAとは「Online Travel Agent」の略で、インターネット上でのみ業務を行う旅行会社のことを指します。

日本企業が運営する国内の代表的なOTA

・楽天トラベル
・じゃらん
・るるぶトラベル
・Yahoo!トラベル

新型コロナウイルスの影響と、D2Cモデルの台頭

新型コロナウイルスの流行により、人口密集地を避けたいという心理から、観光よりもdoor to doorの旅行が増加しています。その結果、宿泊客が長期滞在するホテル空間の満足度が旅行満足度に直結するため、観光地の魅力よりもホテル選びが重要視されるようになりました。

また、インバウンド旅行者の人口が大幅に減少している影響から、OTAの集客力は低下しています。一方、国内のお客様の回復が早く、直接予約のウエイトが高まっているため、宿からお客様への情報発信が予約に直結するようになりました。国内のお客様は、近距離移動が中心となるため、流入客はモチベーション次第で柔軟に対応できるため、D2C型のビジネスモデルを用いて、SNSを通じたコミュニケーションを行うことの重要性が高まっています。

加えて、需要の減少に対応した宿泊施設の供給過多によるOTAなどの代理店への依存が加速し、価格崩壊、低収益、個性の欠如、OTAへの依存という負のスパイラルに陥っています。D2C型のビジネスモデルを用いることで、この負のスパイラルを断ち切り、価格競争に巻き込まれないオンリーワンの宿づくりが可能となります。

直接予約のメリットとは?

ホテル利用は、土日や長期休暇に予約が集中するため、平日や閑散期に人を動かす仕組みを作る必要があります。予約の流れが「この地域に旅行に行きたい、比較検討して予約したい」ではなく、「この宿に行って直接予約したい」という流れになるように、平日・閑散期に人を動かす仕組みづくりが必要になってきました。ホテル業界でD2Cが導入されるようになった背景の1つです。

 

ホテル業界のD2C。成功事例を紹介!

The Ryokan Tokyoとは、奈良時代から受け継がれてきた日本の温泉文化と、近代文化を織り交ぜたD2Cブランドです。

独自の商品開発

D2C型のビジネスモデルを用いることで、ブランド独自の商品やサービスを展開することが可能となります。
THE RYOKAN TOKYOでは、「大人の原稿執筆パック」「卒論執筆パック」など、オリジナルな企画を実施し、SNSなどで人気を博しています。
「大人の原稿執筆パック」は、旅館に泊まって文豪気分を味わいながら原稿を書くなど、定型的な仕事に特化したプランです。
執筆をサポートするプランなので、進捗状況の確認や三度の食事の提供など、少し変わったオペレーションが必要になりますが、大きな投資をしなくてもアイデア次第で多くの人を招待することが可能です。

SNSでの情報発信

またTHE RYOKAN TOKYO では、D2C型のマーケティングの一環として、ホテルの個性や世界観を、ファンや見込み客に向けて発信しています。
その際、宿泊客が滞在中の自分の写真を積極的に撮影し、ソーシャルメディアに投稿できるような仕組みを作ります。公式SNSを参考にしやすい形で利用することで、宿泊中の写真を参考にしてもらいやすくなり、UGCを作成することができるようになります。

※User Generated Content」の略で、「一般ユーザーが作成したコンテンツ」という意味。

まとめ

今回の記事では、D2Cの特徴や、ホテル業界にD2Cを取り入れられている背景やメリットを中心に紹介してきました。また、D2C型のホテルビジネスで成功している企業事例もご紹介いたしました。D2C型で事業を始められる場合は参考にしてみてはいかがでしょうか。