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D2C時代における、アプリの求められる役割とは

世界的に伸長し続けるアプリ市場。アメリカではスーパーなど小売店でのアプリ活用もトレンドとなっています。ユーザーとのエンゲージメントを高めるアプリは、開発のハードルが下がったことや、ユーザーの消費行動の多様化などの背景から、今後利用のシーンは拡大していくでしょう。現在も日本を含め、世界のアプリ市場は成長し続けています。しかしなぜ、昔からあるアプリが現在も伸び続けているのでしょうか。また企業がアプリを利用する理由、またそのメリットとは、どのように変化してきたのでしょうか。

非ゲーム系アプリの台頭でさらに拡大するアプリ市場

世界最大級のアプリデータプロバイダー・App Annieの調査によれば、世界のアプリ市場は、2016年に620億ドル、2017年に820億ドル、そして2021年には1,390億ドルと、今後も順調に成長する見込みです。

その背景には、以前はアプリといえば「ゲーム」系が主流でしたが、昨今「非ゲーム」系のアプリのダウンロード数が伸びていることも関係しています。たとえば最近ですと、NetflixやSpotifyなどのサブスクリプションサービスを、スマホアプリで利用するケースも急増しています。

今後アプリ市場は、「動画」や「音楽」、「ソーシャル」「コミュニケーション」といった、ゲーム以外のアプリによって、さらなる成長を遂げることになるでしょう。

日本でもその傾向は同様です。加えて、ジャストシステムの調査によれば、2019年の時点で、10〜50代のスマホ保有率は86〜91%、さらに60代でも68%に達しています。シニア層にもスマホが浸透し始めたことで、新たな市場が生まれる可能性も出てきています。

アプリ利用のメリットは、プッシュ通知などの機能によって、ユーザーとのエンゲージメントを強化できる点にあります。企業はユーザーとより密にコミュニケーションができますし、ユーザーは欲しい情報をいつでも得られる。まさにWin-Winな状態を生み出すことができます。また、オウンドメディア的に情報を発信したり、ポイントカード機能を加えたりするなど、さまざまなコミュニケーションの方法が可能なため、顧客育成にも寄与します。

さらにOMO時代の現代においては、オンラインとオフラインは別世界ではなく、つながっていますから、アプリがECサイトやリアル店舗をつなぐ役目を果たしているため、そのニーズも高まりを見せているのです。いうならば、スマホアプリは、繁華街における店舗のようなもの。出店しないことは、機会損失につながってしまうと考える企業が増えてきているわけです。そうした時代背景も、ユーザーにとって身近な存在である“アプリ”を活用しようという企業の意識を高める要因のひとつになっています。

ファン化を促進し、D2Cを加速させる「アプリ」

以前から、スマホとEコマースは親和性が高く、最近では、Instagramのショッピング機能やライブコマース、インフルエンサーマーケティングが注目を集めるなど、ショッピングは新時代を迎えています。そのなかで、ブランドと顧客をさらに強く結ぶ架け橋として、自社アプリのニーズがアパレルブランドを中心に高まっています。

経済学では、パレートの法則「2割の優良顧客が8割の売上を生み出す」といわれていますが、優良顧客とは“商品(もしくは企業やブランド・サービス)の熱狂的なファン”でもありますから、常に情報を求めている顧客ともいえます。ですから、自社アプリを上手に活用すれば、大きな効果を発揮するポテンシャルがそこにはあるのです。

アプリでファン化を促進し、ECサイトや実店舗に誘導し、商品の購入を促すことで、D2Cを加速させることが可能です。加えて、アプリを利用すれば、アプリからの流入数はもちろん、顧客がアプリ内でどんな情報を閲覧したかも把握できますから、より深く顧客を知ることが可能です。

スマホを使うことが日常ならば、アプリは生活の一部です。企業と顧客をつなぐハブという役割を、現在アプリは果たしています。OMO時代の現代において、アプリを利用することは、時代に即したユーザーとのコミュニケーションであり、非常に有効な手段だといえます。またアプリにおいても、ユーザーは良質な体験を求めています。そこでどんな体験を提供できるかが、愛されるアプリになれるかどうかのカギとなります。

アプリは様々なトライをしやすい環境にありますから、ユーザー目線でモノを考え、さまざまな試みをしてみることが大切です。販促で利用する際にも、プッシュ通知の開封率によって効果測定できますし、結果に応じて、改善を繰り返すことで利用は促進されるでしょう。

さらに利用が拡大する未来

今後アプリのニーズはさらに高まり、役割も増えていくのではないでしょうか。最近では、企業とユーザーだけでなく、社内コミュニケーションの円滑化、情報共有の効率化を目的とした、社内アプリのニーズも高まっています。社内の部署や社員同士・取引先をつなぐ架け橋としても、アプリ利用のシーンは拡大していくと考えています。