D2C

D2Cモデルの3つの種類【売り切り型・サブスクリプション型・SaaS型】

D2C(Direct to Consumer)という言葉がトレンドになっており、「自社で製品を開発して自社で販売している」「店舗を持たずにECのみで販売している」などとD2Cブランドのことを捉えている方も多いですが、実際にはアマゾンなどのプラットフォームでの販売や店舗を出店しているD2Cブランドもたくさんあります。

そうすると、それらのブランドは本当にD2Cブランドなのか?という議論が生まれ、D2Cブランドの定義すら曖昧になってきています。
D2CはDirect to Consumerという意味なので、極論を言えば直接顧客に商品を届けけたり、関係性を構築していればD2Cブランドと言えます。
D2Cブランドには「売り切り型」「サブスクリプション型」「SaaS+α型」があり、製造や販売の仕方やマネタイズの仕方やビジネスモデルが異なります。

この記事では3つのD2Cブランドについて紹介します。

D2Cのタイプ①:売り切り型

「売り切り型」は文字どうり、一度販売したら次には続きません。もし顧客が気に入ってくれた場合には再度購入に繋がることはあります。
マネタイズに関しては売り切りは点ですが、顧客との関係性構築やコミュニケーションは継続的に行い線になります。
買い替えのタイミングなどに再度購入してもらうためには、商品のラインナップの拡充や定期的な新商品の開発や新サービスへの開始などが必要になります。

特にアパレルやコスメなどは買い替えサイクルも早いため、一人の顧客にどれだけのリピート購入を促し、継続的に利用してもらえるかが重要になります。
買い替えサイクルの早い商品のD2Cブランドは、売り切り型のモデルでありながらも、サブスクリプション型と近い点もあります。

多くのD2Cスタートアップはこの売り切りタイプを採用しており、ビジネス上の工夫が少なく、複雑性も低く、「コストをかけて集客し、販売する」のみです。価格の設定は製造原価を上回り、一定の粗利を確保する金額で販売しています。

 

D2Cのタイプ②:サブスクリプション型

日用品などのD2Cブランドでサブスクリプション型のモデルを採用することが多く、顧客は毎月決まった金額を支払い、同じ日用品を購入し続けます。
顧客からすると一度サブスクリプションで申し込むと毎月自宅まで配送してくれるため、ECや店舗で購入する手間を省くことができます。
サブスクリプションであることで、顧客との関係は必然的に長期化しますので、ブランドロイヤリティなども構築しやすくなります。

 

価格設定は獲得コストをかけた後にサブスクリプション(月額)によって、長期間に渡って売上を回収します。
解約率を低く抑えて、顧客に長く使ってもらうことが重要で、ある一定の期間を越えると利益が出続けるビジネスモデルです。

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D2Cのタイプ③:SaaS+α型

D2Cは製造業や小売業ではなく、IT企業と定義することが多いですが、販売しているものは物であることがほとんどです。
マーケティングや顧客とのコミュニケーションや流通の段階でデジタルを活用しますが、実際にソフトウエアやテクノロジーを販売しているD2Cは多くありません。

その中でもプロダクト自体がインターネット接続やコンテンツ配信やクラウド化されており、かつD2Cの販売やコミュニケーションモデルを採用しているのがSaaS+α型です。
例えば、自宅で運動できるトレーニング機材の販売をしながら、アプリなどのソフトウエアでトレーニング管理などのソリューションを提供しており、アプリの利用にもサブスクリプションで支払います。
このモデルの最大の特徴は売り切り型の「単体での取引でマーケティングコストを回収できる」というメリットと、ソフトウエアサブスクリプションの「高い利益率」が組み合わさっています。

SaaS+α型のハードウエアは完成品ではなく、「白いキャンパス」に例えられ、ソフトウエアのサービスを利用し続けることが「描く」作業になります。
「描く」ためにはブランド側が多種多様なコンテンツを提供し、ソフトウエアをアップデートすることでプロダクトとサービスの向上を図り、ユーザーに顧客体験を提供します。

価格設定は獲得コストをかけた後に、初期にハードウエア販売などで一気に黒字化します。その後もサブスクリプションモデルで長期に利用してもらうことで、利益を最大化できます。
ハードウエアを購入しているため、解約率が低くなる傾向にあります。
SaaS+α型は売り切り型とサブスクリプション型を組み合わせたようなタイプです。

D2Cの成功事例を「ウイメンズアパレル」「メンズアパレル」「コスメ・化粧品」「食品・サプリ」など商品別にまとめています。
また、店舗でD2Cブランドをチェックする場合にはB8ta(ベータ)がオススメです。

今回説明したようにD2Cと一概に行っても、ビジネスの構造が違うため、販売方法なども商品によって異なり、D2Cの定義が曖昧になっています。
D2CはDirect to Consumerの意味なので、直接顧客に商品を届けるチャネルを持っていたり、その活動を行なっているブランドはD2Cに該当すると考えられます。

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