国内の小売店舗では、「店舗受取サービス」という商品の受け渡し方法が非常に増えてきました。もともと欧米では長い歴史があり、BOPIS(Buy Online Pickup In Storeの略)という考え方で小売店舗での多くサービス提供されてきました。
簡単にいえば、オンラインショップで購入して店頭で商品を受取るサービスのことです。
さらに、このBPIOSをさらに便利にしたのが、商品の店舗受け取りではなく、駐車場まで商品を届けれくる「カーブサイド・ピックアップ」と言うサービスです。
高島屋やイオンではお客様が店舗内に入店する必要がなく、駐車場まで店舗スタッフが商品を届けてくれるサービス提供を実現しており、「カーブサイド・ピックアップ」が話題になっています。。
カーブサイド・ピックアップが注目される理由
カーブサイド・ピックアップとは、事前に電話やネットで注文した商品を取りに行く際、駐車場などの指定の場所までスタッフが持ってきてくれることを指します。
カーブサイド(Curbside)とは「歩道の縁石」という意味があり、建物に入らないピックアップというサービス形態を指します。
アメリカのマクドナルドは、ドライブスルーの売り上げがかなり高く、ランチ時間になると行列も避けられません。
並ぶことを避けて他に流れてしまうお客さんがいたとのこと、その課題をカーブサイド・ピックアップモデルの導入によって、回避しています。
世界一位のスーパーマーケットのウォールマートでは、3,300ヶ所以上でカーブサイド・ピックアップを行っています。
さらに、非接触で商品を受け取れるサービスを開始しており、ウォルマートの専用パーキングスペースで生鮮品などの注文品を受け取ると、スタッフが差し出す端末にサインをする必要があったのですが、これを非接触・非接近でサインを不要にしたため、ネットスーパーの売上も過去8週間で30%も上昇しています。
カーブサイド・ピックアップを実現するシステム
イオン大和郡山店では、当日10時までの注文で当日15時~18時に受け取ることができるます。
お客様はネットスーパーでの買い物が終わった後、指定時間内に店舗にむかい、指定された駐車場スペースに車を止め、店舗に電話を架けて注文番号を伝えると、店舗スタッフが商品を届けて、車のトランクルームまで商品を積み込んでもらえます。
この運用では、想定される課題が2点あります。
1点目は、来店されるお客様が受け取れる時間帯が限定されていること、交通渋滞などによって予定の時間に到着できない場合の例外対応など、時間的な制約が大きい点です。
2点目は、受け取り場所に到着してから、受け取りまでの時間がかかる点です。
これらの課題を解消するために、米国Radius NetworksのFlyBuyというカーブサイド・ピックアップのシステム米国Radius NetworksのFlyBuyという仕組みサービスがあります。
FlyBuyはお客様向けのアプリと、店舗スタッフ向けのダッシュボードをクラウドサービスとして提供しているカーブサイド・ピックアップアプリケーションです。
FlyBuyのサービスでは、以下のことが実現できす。
・GPS機能により、お客様が店舗に何時頃に到着するのか、店舗駐車場スペースに到着したのか、リアルタイムに把握が可能となり、時間的な課題を解消します。
・店舗スタッフはお客様があと、何分で到着するかをリアルタイムに把握できるため、商品の受け渡し時間のリードタイムを最小化することができます。
・商品受け取り完了をお客様から発行することで、受け取りサインが不要となります。
カーブサイド・ピックアップのメリット
カーブサイド・ピックアップのお客様のメリットは
・商品を早く受け取りたい、または会社帰りなど好きな時に取りに行きたい
・店内に入店する必要がないため、入店せずに買い物を終わらせることができる
・宅配費用が不要
一方で、店舗側のメリットは
・ネットスーパーの利用促進になる
・ネットスーパーでの宅配には限界がある為、BOPIS促進となりる
・店舗受取により、お客様の滞在時間が短くなり、3密リスクを軽減することができる
国内でも広まりつつあるBOPISによる店舗受取方法として、カーブサイド・ピックアップをご紹介しました。
このサービスは、米国ウォールマートなどで広く導入されているサービス提供方法でしたが、国内でもイオンや高島屋などの食品小売店舗にて、“ドライブスルー”モデルとしてスタートしています。
ただし、現在のドライブスルー販売モデルは、短期的なサービスとしてスタートしており、運用上の課題も想定されています。定常的なサービスとして定着させるためには、「FlyBuy」などのカーブサイド・ピックアップ向けのシステムも必要になります。
カーブサイド・ピックアップのサービス提供は、お客様へのサービスの1つとして必須になっていくことでしょう。