クラウドファンディングという言葉の認知度が上がってきており、現在では予約販売や受注販売がクラウドファンディングで行われることも珍しくなくなってきました。
また、マーケティングやCRMの一種としてクラウドファンディングを活用して、新規顧客を獲得する商品やサービスも増えてきています。
この記事ではD2Cとクラウドファンディング、それぞれの特徴を確認の上、DC2ブランドにおけるクラウドファンディングの活用メリットおよび事例についてみていきます。
D2Cでのクラウドファンディングとは
クラウドファンディング(crowdfunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。
資金調達の募集者が参加者と直接コミュニケーションを行い、資金を調達する手段として確立されています。参加者は、プラットフォーム(専用の仕組み)を使用して、不特定多数の出資者となり、募集者に対して資金提供を行うことになります。
融資ではなく、出資ですので返済の必要がありません。
一方で出資者は、自分が共感したサービスやプロジェクトに資金を提供することで、その実施状況の報告を受けたり、見返りとして商品やサービス・現金配当を受け取ったりできるものです。
D2Cでのクラウドファンディングが適している理由
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、”消費者に対して商品を直接的に販売する仕組み”のことを指します。自社で企画・製造した商品を、ECサイトなどの自社チャネルで販売するモデルのことです。
D2Cブランドはその特徴から以下のようなメリットを保有しています。
- 自社製品のビジョンや思想を顧客に、きちんと伝えられる
- 顧客との関係構築
- 顧客データの収集
一方で、D2Cブランドのビジネスリスクは、売れるか売れないかが未知であることにあります。
自社製品をどの程度、製造し在庫を持つのかについては、自社の顧客データをもとに予測を行った上で行うことになりますが、D2Cブランドは一般消費財ではなくユニークな商品であることが多いため、顧客に受け入れられないことも考えられます。
そのリスクを軽減する為の考え方の1つが、クラウドファンディングです。
一見すると、関係性が薄いビジネスモデルの様に思われますが、実はその相乗効果が期待できるのです。
D2Cにとってクラウドファンディングのメリット
クラウドファンディングはD2Cブランドのファンを獲得するという考え方と相性がよく、新しい製品・ブランド投入前の段階から一定数のファンを持つことができます。
そのメリットは2つあります。
- D2Cブランドにとっては、融資ではなく、返済義務のない、投資を受ける
- クラウドファンディングの出資者が、顧客になりえる
一方で、クラウドファンディングでは、希望した出資金額が集まるとは限りませんので、募集者(D2Cブランド)が出資者に対しての魅力をどの様に伝えることができるかにかかっています。
D2Cブランド クラウドファンディング事例
クラウドファンディングを資金調達の効率的な手段として活用し、成功している事例があります。
アパレル販売の“オールユアーズ”は、服を「身に着ける道具」として捉え、日常生活で感じるストレスを解消する製品をD2Cモデルで行っている。オールユアーズの開発した水を弾くパーカー「ONE SWING PARKA」が代表的な製品で、日常的に着用出来て、突然の雨にも対応できるという機能性を持つ。
同社では、ユーザーとの関係性を、「共創」していくと考え、クラウドファンディングCAMPFIREで24ヶ月連続クラウドファンディングを実施している。
今回は、D2Cブランドとクラウドファンディングという一見すると関連のない、ビジネスモデルが実は同じ特徴を持ち、D2Cブランドの資金調達の手段として、有効であることをご紹介しました。
“クラウドファンディング“は、単なる資金調達の1手段というだけではなく、“募集者と参加者の直接のコミュニケーション”という考え方が、D2Cブランドの考え方に合致しており、双方のビジネスモデルに相乗効果をもたらします。国内でも、オールユアーズ社の様な成功事例が益々増えていくことでしょう。