マーケティング

CRMのメリットとデメリットとは?運用のコツを解説

現在、小売業界を中心にビジネスの場面で幅広く認知されているマーケティング手法にCRMがあります。
効率的なマーケティング運用が実現できるツールとして、多くの企業で導入が進められています。
一方で、企業内においてどのような役割を担って機能するのか、CRMの実態を把握している方はそこまで多くありません。
そこで今回は、CRMを導入するメリットとデメリットを紹介しながら、有効活用するにはどうすればよいのか解説します。

 

CRMとは?

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、顧客と良好な関係を構築するためのマネジメント手法のことです。
かつての日本は「ヒト・モノ・カネ」が重要視され、高品質の製品やサービスをいかに提供するか、投資資金や営業力、技術力を伸ばすことに注力していました。
ところが高度経済成長の時代が過ぎ去り、人口減少とともに経済が停滞したため、これまでの規模を拡大する手法が通用しなくなりました。
そこで注目されたのが、顧客満足度を重視する「CRM」という手法です。

もともとCRMは、米国でパソコンの販売事業を展開していた「DELL」が、受注生産方式で販売したのをきっかけに誕生しました。
その後コンサルティング会社の「アクセンチュア」が、CRMに関する書籍を出版し、新しいマーケティング手法として世界に浸透。

現在では顧客との良好な関係が構築できる手法として、多くの企業がCRMの導入を進めており、既存顧客を最良顧客にするマーケティング戦略の際に利用されています。

CRMの特徴

CRMでは顧客データベースを管理し、マーケティング戦略を構築します。
データベースには年齢や性別といった顧客属性が登録されており、CRMを導入した企業では、嗜好に沿ったメール配信やプロモーションで既存顧客へのアプローチが可能です。
またCRMはITツールとしても定着しており、アンケート機能を実装すると、顧客満足度の調査まで行えます。
顧客のニーズを正確に把握できるCRMは、現代における最適なマーケティング手法として、重要な役割を担っています。

 

CRMのメリット

CRMのメリットは、「顧客に対して適切なアプローチができる」という点です。
顧客情報を一元管理するCRMでは、部署の垣根を超えて顧客データが共有でき、迅速かつ効果的なアプローチを実現しています。
また顧客情報が可視化されるので、お客様のニーズを正確に把握し、最適なタイミングで顧客に提案できます。
購買意欲の高い層へピンポイントでアプローチし、見込み客を限定することで、CRMではより確実に効果を得られるマーケティングが可能です。
さらにCRMでは、過去に購入した商品の情報も管理しており、「顧客が有益な情報を受け取れる」というメリットも存在します。

例えば企業が配信するメルマガやSNSでは、消費者の購買履歴からオススメの商品を提案し、リピーターの獲得につなげています。

CRMのデメリット

一方、CRMのデメリットは「導入コストが発生する」という点です。
企業がCRMを導入するには、顧客データを一元化する管理体制の構築が必要で、導入の際にコストがかかります。
データ容量が大きい高機能・高速処理のシステムを組むと、導入コストに加えて運用コストも発生するので、企業規模に応じた適切なCRMシステムを選択しなければなりません。
またCRMには、「効果が現れるまで時間がかかる」というデメリットも存在します。
顧客満足度を向上させ、既存の顧客を優良顧客へと育成するには一定の期間が必要で、CRMが定着して初めて効果が現れます。
特に導入直後はPDCAのサイクルを回し続け、時間をかけて最適なマーケティングの施策を考えなければなりません。

CRMを有効活用するには

CRMを有効活用するには、具体的な目標をしっかりと立てることです。
効果が出るまで時間がかかるCRMは、定着するまで使い続ける必要があり、まずは継続できる体制を構築することが大切です。
そしてCRMの効果を最大限に発揮させるには、現在抱えている課題を整理し、実現可能な数値目標を設定した上で、マーケティング戦略を構築する必要があります。

例えばCRMのデータを活用したメール配信では、開封率やWebサイトのPV数などを数値目標として設定し、マーケティングの施策を講じなければなりません。
またCRMは導入コストが発生しますが、継続して運用することで新規顧客を獲得する必要がなくなり、最終的にコストが削減できます。

CRMは顧客満足度を上げるマーケティング手法として、現代ではなくてはならない存在となりました。
現代ではインターネットの発達とともに、顧客の嗜好が目まぐるしく変化し、顧客満足度を上げる重要性が増しています。
今後も競争が激しくなる小売業界では、CRM をいかに使いこなせるかが、重要な鍵となるでしょう。
今回紹介しましたメリット・デメリットを把握し、CRMを有効活用していただけると幸いです。

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