マーケティング

飲食店・レストランにおけるCRMの特徴とは?メリット・デメリットを紹介

数年前まで飲食店の集客手段は近隣住人をターゲットにする場合はチラシ、駅などど幅広い層をターゲットにする場合はぐるナビや食べログなどの口コミサイトが集客の主流でした。
しかし、近年はGoogleマイビジネスになり、同時にSNSやポイントカードなども重要な集客手段となりました。

その中で、一人一人の顧客に合わせたマーケティングを行うことも重要になってきており、固定的な顧客を獲得する為の活動 “CRM”を導入する飲食店・レストランも増えてきました。

本記事では飲食店やレストランのCRMの施策について紹介します。

飲食店・レストランが導入するCRMとは

CRM(Customer Relation Management)の略で、顧客管理で、一人一人の顧客と良好な関係を構築することを目的としたマーケティングマネジメント手法です。
お客様と、事業者が適切なコミュニケーションをすることにより、顧客満足度を上げたり、引き続き自社の製品・サービスを購入してもらうようなマーケティング活動を行うための仕組みづくりです。

CRMを活用することで効果的な施策を行うことができるため、多くの企業が注目し導入を進めています。

CRMのメリットとデメリットとは?運用のコツを解説顧客一人一人に対して、適切なマーケティングを行うCRMの特徴やメリットについて紹介します。...

小売店がCRMの特徴

飲食店における顧客は個人ですから、やはり、一対一対応のマーケティングが大切と言われていました。全顧客対応型の「マスマーケティング」ではなく、「1to1マーケティング」というものです。

1to1マーケティングができていれば、いわゆるリピート率が高くなります。一般的な飲食店の場合、「初回顧客が再来店するリピート率」の平均値は20%程と言われています。リピート率を高めるための施策がつまり、飲食店におけるCRMです。

CRMをすすめる為には、以下の3つの視点からの整備が必要となります。

  • 顧客情報の収集
    どのお客様がリピートなのかを含めて、1to1を把握するためには、顧客情報を収集しなければ、はじまりません。
    電話予約時に名前をお聞きして、予約台帳に記入するだけでは、来社の顧客情報にはなりません。販促の通知をするためのメールアドレスや、電話番号(SMS)が最低限必要となります。グルメサイト経由での予約の場合、それらの情報は収集済ですが、店舗直接の場合には、“メルマガ会員“”クーポン登録“などのお得感を提供する仕組みへの登録を通じて、顧客情報を収集します。中には、飲食店専用アプリをダウンロードして頂くことでお得なクーポンを提供しているケースもあります。
  • 顧客管理、分析
    顧客情報を管理・分析する手法の一つに、“RFM分析”というものがあります。Recency(いつ来店したか)Frequency(来店回数)Monetary(利用金額)のことです。再来店の見込みが高い顧客と、低い顧客に区別する時などに用いる顧客管理・分析方法です。再来店の見込み度が高い顧客に、販促活動を行います。
    また、再来店の見込みが高い顧客はどういう人物なのか?を分析することで集客を効率化できます。再来店の見込み度が高い顧客が、「どのような経緯で来店し、どういった点を喜んでいるか?」を分析し、それを宣伝することで見込み度の高い新規客を集客することができます。
  • 販売促進
    RFMの高い顧客の基準を設定し、その高いグループのお客様に対する販売促進活動、その下位のグループのお客様という順番で、販促活動を検討します。メルマガ、クーポンは分かりやすい販促の形ですが、LINE@やSNSを使った販促事例も増えてきています。

 

小売店がCRMのメリット

飲食店においてCRMを取り組むことによるメリットは3つにまとめられます。

  • 顧客情報はお店の資産となる
    取得した情報を一元管理することによって、効果的にお客様にアプローチできる機会や手段が増えます。お客様情報の収集をしてデータベース化することで、リピーター率を始めとした分析をはじめ、集客アップや単価アップを考えるための資産となります。
  • 1to1マーケティングの実現
    お客様ひとりひとりへの適切なアプローチ、高い顧客満足度あるサービス提供、飲食店のファン化推進・・・と言った日々の業務を通じたサイクルを継続的に実現することができれば、1to1マーケティングの実現に繋がりますが、これもCRM活動が前提となります。CRMツールを効率的に使うことが要諦です。
  • 安定した店舗経営
    コロナショック禍でも、固定客、リピーターを獲得していた飲食店は、業績を維持していました。CRMを日頃から推進していることにより、安定した店舗経営の実現に繋がっていることが、明確に証明されています。

CRMを取り入れた小売店の事例

キリンビールの飲食店キリンシティでは、次世代型飲食店サービス「セルフオーダー&ペイ」を導入し、注文データを活用したCRM施策に取り組んでいます。お客様は、LINE上でメニュー画面表示注文。全ての飲食が終了した時点で会計する。会計は、LINE Pay、現金・クレジットのいずれかの決済に対応しています。退店後もLINEでお得な情報を配信することで、お客との関係づくりが可能です。具体的には、「誕生日のお祝い」「季節メニューのお知らせ」「友達紹介割引」「おすすめビール」などの情報を提供しています。

例えば、来店回数が数回の30代男性会社員には、「前回、Aというクラフトビールを飲んだ方へ。このビールの特徴はこんな感じで、他にもBというおすすめビールがある。Bというビールは、こんな料理との相性がよいので、次回、来店に使えるクーポンを配信するので、是非、ペアリングを楽しんで欲しい」といった情報を配信しています。

 

今回は、飲食店におけるCRMの取組み方法とそのメリットについてご紹介しました。
飲食店が生き抜いていくためには、リピーターを増やすことが非常に大切になってきます。

飲食店におけるCRM(顧客管理)とは、顧客満足度とロイヤルティの向上を通して、リピート率を向上させ、結果的に売上・収益性のアップに繋がります。
飲食店におけるCRMは、そうしたリピーター顧客様を増やし、さらにファンになって頂くことに欠かせない重要なものです。

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