スマートフォンの普及、ECやフードデリバリーの発展、SNSの活用など消費者やテクノロジーは日々変化しています。
同時にマーケティングの手法も変わってきており、以前はテレビCMや駅前看板など人目に付くマス広告が主流でしたが、現在は顧客一人一人に合わせたマーケティングが一般化しつつあります。
このマーケティング手法は飲食店や小売店やホテルなどTo C向け(消費者)に事業を行う事業者にとっては必ず知っておくべき知識です。
この記事では顧客一人一人に合わせたマーケティング手法のCRMについて紹介します。
CRMとは
CRMとはCustomer Relationship Managementの略で「顧客管理システム」を意味します。
CRMは顧客情報や行動属性をデータ蓄積し、そのデータを元に顧客の特徴などに合わせたアプローチやコミュニケーションなどを行い、「1to1マーケティング」と呼ばれたりします
CRMはBtoBとBtoCの両方で用いりますが、若干意味合いが異なり、BtoBでは顧客の利用履歴や訪問履歴などを管理活用し、BtoCは顧客の年齢や性別、地域、好みなどのデータを管理活用し、「顧客」を中心にビジネスを組み立てていく考え方です。
CRMの歴史
CRMシステムとは顧客情報や利用履歴などを管理するためのシステムです。
CRMは最近用いられるようになりましたが、以前からマーケティング手法としては存在していました。
しかし、以前は手作業での情報収集やデータベースの作成だったため、膨大な顧客情報を管理、分析することが難しかったため、CRMをやりたくてもできませんでした。
これをITの力で解決したのが、CRMシステムです。
以前はCRMと似たような言葉で、FSP(Frequent Shoppers Program)がありました。これはポイントカードを起点として、顧客1人1人の購買データをとらえながら、顧客を購入金額や来店頻度によって選別することです。
CRMと似ていますが、CRMはポイントカードが起点ではないことや、リピーター以外の全ての顧客を対象にしていること、蓄積したデータをマーケティング以外にも活用することなどが相違点になります。
BtoCでのCRMの効果
CRMでは効率的に広告・マーケティングを行うことができます。
例えば、テレビCMなどは話題になりますが、具体的にいくら売上UPに繋がったなど測定しにくいです。
また、ターゲットを限定せず、多くの方にアプローチを目指しますので、マーケティングが一切響かない層がいます。
CRMを活用することで、的確な対象顧客に対して、的確な情報を提供することで、マーケティングの効率がよくなり、顧客のニーズに応えて、収益を最大化できます。
購買データ分析では、どのような製品やサービスが求められているのか分かるため、今後のマーケティング戦略に役立てることができます。
CRMを行うことで、それぞれの顧客に対してのサービスを充実させることができますので、顧客満足度の向上が実現でき、リピーター獲得に繋がります。
リピーターに対しては、過去のキャンペーン時の反応や好みをデータから確認でき、ダイレクトメールやアプリプッシュなどができます。
飲食店や小売店にとって、ヒト・モノ・カネ・情報など限られたリソースを駆使して最大限の効果を出すことが求めらるので、顧客情報がシステムに整理され蓄積されることで、データや業務が可視化され、顧客のニーズや行動が見えやすくなります。
CRMシステムの選び方
CRMは収益を最大化させるために重要なシステムになりますので、導入する際には下記の内容の検討が必要です。
操作性・UIUX
CRMシステムは毎日のように利用することで効果が発揮します。
毎日、利用することを考えると、操作性や分かりやすさやスピードが重要になります。
また、導入する際には実際に操作をする担当者に操作してもらい、操作性を確認することをオススメします。
他システムと連携
飲食店には予約管理システム、小売店にはECや店舗管理システム、宿泊施設にはサイトコントローラーやPMSなど、各業界においてそれぞれ独自のシステムがあります。
CRMは顧客情報のため、POSシステムや予約管理システムなどとデータの連携していることも多いため、現在使用しているシステムとの連携の有無について確認が必要です。
これらと連携ができないと、情報を正しく収集できませんし、CRMシステムに手作業でデーター入力が必要になります。
CRMシステム利用による問題点
CRMシステムはとても便利で、商品も増えてきていますが、導入する場合にはデメリットや問題点も正しく把握する必要があります。
まず前提として、CRMシステムを導入したからと行って、売上や集客の向上には繋がります。CRMシステムはあくまでもデータを蓄積して、活用しやすくするためのツールであり、数字を活用して判断するのは担当者が行います。
また、一度セットアップすれば良しとは行かず、毎日使用しながらPDCAサイクルを回す必要があります。
数字やデータを毎日確認しながら、調整することで本来のCRMの目的の実現が可能になります。